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この異世界に統一神話を ─神話マニアが異世界に飛んだ結果─
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出す。それが証明されるかも知れないのだ。

 間違いなく、統一神話的に大発見だ。

「シェラ」
「……何?」

 俺は押し黙ったまま難しい顔をしていたシェラに、一つの問いを出した。

探索者(シーカー)、って言うのは、誰でもなれるものなのか?」
「一応。でも、バヴ=イルの研究機関のメンバーがいる探索者ギルドで資格を取らないといけないし、現代なら発掘魔法も使えなくちゃいけないなら、魔法の素質も必要。普通は学校に通ってそれらをクリアするけど、通ってなくても大丈夫」

 帰ってきたのは、思いの外複雑な探索者になる方法。まぁ、専用の学校に通うとか、そういう必要がないだけマシ、か。

「そうか……俺に魔法の素質があるかは調べられるか?」
「多少は……コウガ、もしかして……」
「ああ」

 シェラが聞き返す。彼女が思っている通りであろうことを、俺は今、考えていた。

探索者(シーカー)になろうと思う。この世界の神話の事をもっと知りたい。俺の統一神話を完成に近づけたい」

 それは願いだ。
 この世界の神話を詳しく調べて行けば、件の『始まりの神話』を発見して、シェラを手伝うことも可能だし、なにより統一神話の拡張に役立つ。
 そのためには、自ら神話研究に携われる役職を手に入れたい。

「……分かった。見てあげる」
「サンキュー」

 頷いてくれたシェラに感謝の言葉を送る。というか通じるんだな、これ。本当になんで言葉が通じるんだろうか。異世界転移の影響か?

「これからあなたに使うのは、魔力を吸い取ることで、魔力の量を調べる魔法。あなたの世界には魔法がなかったっていうから、魔力があるかどうかは分からない。もし無くても、気を落とさないで」
「ああ。君のせいにもしないよ」

 そのときはそのときだ。別の方法を考える。

「魔導の真理は、常に深淵への口を開ける。飲み込まれぬため、用心せよ──『ブラック・ジン』」

 ぼう、と、シェラの右手に、暗闇が集まった。すげぇ、これが魔法か。

 彼女はその手を俺の胸に当てる。同時に、物凄い勢いで何かが吸収されていく感覚。痛い……!

「ぐあっ……!」
「──!?」

 俺が呻き声を漏らすのと、シェラが驚愕に後ずさるのは、ほぼ同時だった。

「……驚かないで聞いてね」
「お、おう……」

 未だ痛覚冷めやらぬ俺に向かって、シェラは告げた。

「コウガ、あなたの体は、全部魔力で出来てる」
「……は?」

 それはあれか。さっきの痛みは、体を構成する物質そのものを奪われていた痛みって事か? こわっ……。

「コウガが魔法を使うには、自分を構成してる魔力と、体内を流れている魔力を、分ける方法を身に付けなくちゃいけないかも」
「なるほ
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