4部分:第四章
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第四章
「明日このアジトを襲撃します」
「このアジトをですか」
「明日ですか」
部下達にファイルを見せていた。そのファイルにだ。
アジトの一つが細かく記載されていた。それを見るとだ。
色々なことが書かれていた。それを部下達に見せながらだ。
彼はだ。部下達に会議室において話しているのだ。
「そうです。既に証拠は全て掴んでいますので」
「全員逮捕ですね」
「そうされますね」
「必要とあらば」
彼はこうも言った。
「彼等を射殺します」
「射殺!?」
「射殺ですか」
「そうされるのですか」
「はい、そうします」
部下達に対してもだった。北條は素っ気無く答えた。当然といった様に。
「彼等が従わないのならです」
「あの。それは少し」
「問題があるのでは?」
部下達はすぐに怪訝な顔になってだ。
そのうえでだ。こう北條に言ってきた。
「テロリストとはいえ射殺するのは」
「かなり」
「彼等の今回の計画は市街地での無差別テロです」
その計画のことも掴んでいた。それこそ裏の情報ルートまで使ってだ。北條は情報を入手し検証してだ。確認しているのである。
「革命と称する」
「赤軍派とかがやったみたいなですか」
「ああしたテロですか」
「自分達の存在や主張を誇示し宣伝する材料の」
「主義主張については言いません」
北條はそうしたことには興味がなかった。ではあるのは。
「問題は彼等の行動です」
「テロを行う」
「それですね」
「はい、ですから彼等を必要とあらば」
射殺する。そうするというのだ。
「それだけです」
「あの、それは」
「やはりです」
「どうしても」
部下達は難色を示した。しかしだった。
北條はだ。やはり何でもないといった口調でこう言ったのだった。
「責任は私が取ります」
「ですがそれでも」
「犯人の射殺はです」
「どうも」
「なら私が撃ちましょう」
今度はこんなことを言う彼だった。
「その時は」
「えっ、部長がですか」
「そうされるのですか」
「ですが」
「言った筈です。責任は私が取ります」
だからだというのだ。
「あくまでその時はですが」
「そうですか。そうされますか」
「その時は」
「ですから安心して下さい」
こう言ってだ。北條は部下達に告げてだった。そうしてだ。
彼等はそのアジトに向かいだ。そこを物陰に隠れながら包囲した。まるで豹の様に。
アジトにはテロリスト達が次から次に入っていく。その顔触れを見てだ。
彼等はだ。メールや小声で密かにやり取りした。
「今度は副委員長が入ったか」
「そして書記も入ったな」
「ああ、幹部が次から次に入ってるぞ」
「書記長も入った」
こうした組織の特徴だろうか。
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