救世主
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じくらい速かったんじゃ・・・」
「いや・・・」
四つ首の仔犬のロッカーがガタガタと震えながら、自身のギルドの最強魔導士であるバッカスにそう言う。
バッカスは2日目のバトルパートでエルフマンと対戦した際、一瞬のうちに7発もの攻撃を叩き込むことができていた。先程のレオンと同じように。
しかし、バッカスは額に汗を浮かべながらロッカーの言葉を否定する。
「俺なんかとは比べ物にならねぇぜ」
バッカスは両手を使い7発もの平手を一気にエルフマンに入れた。しかしレオンは最初の6発に関しては左手だけで攻撃している。しかも全力で叩き込むのではなく、あえて掠らせるという器用な芸当を見せて。
最後の一撃はすでにシリルの後ろに回り込むことが目的だったようで、爪先でちょっと掠り取っただけのように見えるのに、実際には血が吹き出すほどの大打撃。スピードのみならず、パワーに関しても通常では考えられないほどのものだと言わざるを得ない。
「カグラさんよりも速かったよね?」
「そう見えたね・・・」
「しかもまだ全力じゃないように見えたよ」
人魚の踵の面々もレオンのあまりの速度に震えが止まらない。その力は明らかに、4日目に彼を納刀したまま倒したカグラのそれを上回っていた。
「め・・・メェーン・・・」
「ウソだろ?」
「シリルちゃんがあんな簡単に・・・」
青い天馬の一夜、レン、イヴも完全に呆然自失。その隣では古文書を駆使してヒビキが何やら計算している様子だったが、それにすら気付くことがない。
「何してるの?ヒビキ」
「今のレオンくんの速度を計算してるんだ。だけど・・・」
突然手を止めるヒビキ。彼はため息を大きく1度ついた後、展開していた古文書を閉じる。
「計算とかができるレベルじゃないよ、今のは」
「ぐ・・・グラシアン・・・今の見えた?」
「分かりきった質問するな」
ドムス・フラウのすぐ下で倒れていたグラシアン。彼の元に心配して飛んできたキセキがその位置から見える魔水晶ビジョンを見て、相棒であるその男に質問をしていた。
「だ・・・だよね・・・」
「あぁ・・・」
震えが止まらないキセキをギュッと抱き寄せるグラシアン。彼はまだ起き上がることの出来ないほどのダメージを自分に与えた相手のさらなる進化を見て、表情を歪ませる。
「俺はとんでもない奴を目覚めさせたのかも知れないな・・・」
「れ・・・レオン・・・」
「あ・・・あんなのありですの?」
ありとあらゆる者の度
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