救世主
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エルフマンとその横にいるアルザックが互いに顔を見合わせ、レオンがシリルに一体何をしたのか話している。
「シリルお姉ちゃん・・・いきなり倒れてどうしちゃったの?」
「ほ・・・本当にどうしちゃったのかしら・・・」
何も見えなかったため、アスカはシリルが勝手に倒れたのだと思っている様子。だが、彼女の後ろにいたビスカは勝手に倒れたわけではないのだとわかっているため、苦笑いをすることしか出来ない。
そしてこれには妖精の尻尾のみならず、他のギルドの魔導士や一般の観客たちも呆然としていた。レオン・バスティアの所属している蛇姫の鱗のメンバーでさえもだ。
『さ・・・先程の瞬間をハイスピード魔水晶で解析しましたので、その映像を流します!!』
闘技場にある魔水晶ビジョンの1つの映像が切り替わり、先程の瞬間を捉えたVTRが流される。これをドムス・フラウにいる者は全て、食い入るように見つめている。
『いくぜ!!』
『来い!!』
共に構えるレオンとシリル。レオンの魔力が拳に集中され、シリルがそれに備えて若干踵を浮かせる。ここまではさっき見えていた通り。だが、次の瞬間、
ヒュンッ
超スロー映像であるはずの画面が・・・いや、レオンが通常と同じ・・・もしくはそれ以上の速さでシリルの懐に入る。
『さ・・・さらに速度を落としてみます!!』
レオンが懐に入るまでの速度が速すぎて、これではその後の映像も見えにくいのではないかと判断したチャパティは、かなりスローになっている映像をさらに遅くしていく。
どのくらい下げたのだろうか、ようやく一般の観客たちでも何が起きたのかわかる速度までレオンの動きが遅くなった。
そしてそれは、驚きを連発させるものだった。
まず、レオンの左の拳がシリルの胸元を掠め、左腕を同じように掠め、額、右太もも、左脇腹、首の順番で拳に付いている氷の結晶で掠らせるように切り裂き、最後にジャンプしながら最初に胸元に攻撃した跡とクロスするように爪先で傷をつけ、後方へと着地している。
そして着地して少ししてからシリルが後ろからの気配を察知し、振り向いたところで傷跡が大きく開き、血が吹き出したようだ。
『し・・・信じられない!!わずか数秒・・・いや!!ゼロコンマ数秒の世界でこれだけの高速攻撃!!』
『さっきまでの動きとあまりにも違いすぎるねぇ』
『す・・・すごすぎるカボ・・・』
実況席のこの反応はもちろんのこと、大魔闘演舞に出場している全てのギルド、そして観客たちは歓声を上げればいいのか、それとも何か別のことをすればいいのかわからなくなり、呆けていることしか出来ない。
「ば・・・バッカス・・・今の攻撃・・・お前の酔・劈掛掌と同
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