救世主
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「ま・・・マジかよ・・・」
やってしまった感が半端ではない。力ではレオンに勝てない俺が彼に勝っていたのは魔力を溜める速度とそのわずかな動きを見切ること。なのに、こいつはこの戦いの中で1つの優位点を俺から奪ってしまったのか。
「これでやっと・・・シリルと五分の戦いができるかな?」
序盤は俺がレオンを押していた。破滅の冬が発動してからはレオンが一気に主導権を奪った。今はその吹雪も晴れ、俺は水天竜モードと付加魔法で能力を底上げした。だから俺が序盤のように優位に進められると思っていたのに・・・
「いや・・・まだ大丈夫だ!!」
悲観的な考えはよそう。俺にはまだ目を使っての戦い方が残っている。レオンが魔力を早く溜めることができようが、俺がそれ以上に早く反応して回避すればいい。そしてレオンの体力を削って、勝利をもぎ取る!!
「いくぜ」
「来い!!」
俺に対して構えるレオン。俺も彼に対抗すべく構える。
(集中しろ・・・この目があれば、捉えられない動きなんかない!!)
全神経を目に集中させ、意識を高めていく。すると、レオンの魔力が腕に集中していくのがわかる。
(永久凍土か・・・なら・・・)
横にステップして交わした後、後ろから鉄拳を叩き込む。そう作戦を考えていると突如・・・レオンが視界から消えた。
「え・・・?」
なぜ消えたのか、全く理解が出来なかった。辺りをキョロキョロしていると、後ろから人の気配を感じる。
「そこか!!」
振り向いて攻めてきているであろうレオンに一撃を喰らわせようとした。だが、俺が体を反転させようとしたその瞬間、
ブシャッ
体の至るところから血が吹き出してきた。
「がはっ・・・」
何が起きたのかわからずその場に倒れる。なんとか痛みに耐えて顔を上げると、そこにはこちらに背を向けているレオンの姿があった。
「勝負あり・・・かな?」
そう呟いた彼の手にはわずかに血が付着していた。それも、見た感じ彼の血ではない。たぶん・・・俺のものだ・・・
第三者side
『な・・・え!?』
あまりの出来事に目を白黒させているチャパティ。その横にいるヤジマもマトー君も唖然としており、シリルの身に一体何が起きたのかわからずにいた。
「な・・・なんじゃ!?一体何が起きたんじゃ!?」
驚いているのは実況席だけではない。妖精の尻尾の応援席では、ジュラと同じ聖十の称号を持つこの老人でさえも、意味がわからずにその場に思わず立ち上がっていた。
「み・・・見えたか?今の」
「ぜ・・・全然見えなかったよ」
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