アインクラッド編
平穏な日々
紅色の策略 04
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「そうなの? 28層の攻略が終わった頃に出た新聞に載ってたよ、確か。 覚えてない?」
「……そんな昔の記事を覚えていられるのはフォラスさんくらいです」
「え、サチ姉は覚えてたよ。 だからここを買ったんだよね?」
「らしいな。 フィールドにモンスターが出ないってのは確認済みだったから、あいつが住むにはうってつけだしな」
ヒョイと肩を竦めると、キリトはそのまま気負いなくホームの扉を開けた。
途端、優しい木の匂いと一緒に、色々な料理の香りが鼻孔をくすぐる。 どうやら、サチ姉が気合を入れて作っているらしい。
ただいまも言わずにズカズカと入っていくキリトの後ろ姿をぼんやり眺めていると、僕の隣に立ったアスナさんが躊躇いがちに口を開いた。
「あの、本当に私がいても大丈夫なんですか?」
「大丈夫。 アスナさんの気持ちに気付いてないってことはないだろうけど、だからって意地悪するような人じゃないし、そもそも浮気してるわけでもないでしょ?」
「ですが……」
「大丈夫」
ニコリと笑ってから玄関を潜ると、ようやく決心がついたのか、あるいは抵抗を諦めたのか、アスナさんも続く。
暖炉の焚かれた暖かな部屋に踏み入った僕たちに気がついたのか、キリトを弄り倒していた黒猫団の面々がこちらに目を向ける。
「おー、なあなあ、フォラ、ス?」
黄色の髪が特徴的なダッカーさんの声がフェードアウトして、同時にその場の空気が変わったのは僕の後ろに立ったアスナさんに気付いたからだろう。 もしかしたら、僕が背負っているアマリに気付いたからなのかもしれないけど、まあ、どちらだとしても同じことだ。
「ア、アスナ、さん? 《閃光》のアスナさんじゃないですか??」
「KoB副団長がどうしてここに??」
「て言うか、フォラスの背中にいるのって、《惨殺天使》のアマリちゃんかよ??」
「フォラス! どう言うことだよ!」
うわーめんどくさーい。
負けたキリトを弄っていた黒猫団のメンバーが、今度は僕たちに照準を合わせたようだ。
この状況をアスナさんに丸投げするわけにもいかないし、かと言って未だに寝ているアマリは戦力外。 となると、僕が説明するしかないだろう。
「とりあえずみんな落ち着いてよ。 キチンと紹介するからさ」
「お、おう」
「えっと、まあ知ってるみたいだけど、こちらは血盟騎士団副団長、《閃光》のアスナさん。 僕の友達だから粗相のないように」
ええー?? と、『友達』と言う紹介に対しての驚愕の四重奏には嫌気がさすけど、ここでこのまま紹介をやめるわけにもいかないので続行。
「それでこっちがアマリ。 《惨殺天使》で僕の妻。 可愛いでしょ?
ええー?? と、2度目の驚愕の
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