十六話:現実と将来
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管理外世界には管理局の目の行き届かない世界が多くある。
そういった場所はただ単に魔法技術が存在しない。
そもそも意思の疎通が可能な知的生命体が存在しない。
魔法技術も、人間も存在するが介入を嫌い管理世界に加入しない世界などがある。
そして、そうした世界、特に意思疎通が可能な知的生命体がいない世界は管理局員ですら存在を知っている者は少ない。
その為に、管理局の目の届かない世界では違法な研究が行われていることが多い。
また、ロストロギアの密売や、密漁なども数多く行われている。
基本的に管理局は管理世界に対する権限は持ち合わせてはいない。
しかし、そこに管理世界の違法魔導士などが逃げ込めば捕まえる義務と権利が生じ、干渉することができる。
ただし、魔法文明を持っていながらも拒絶している世界に関しては利権も絡み簡単にはいかない。もっとも、その場合は現地の警察のような組織が代わりに追うのがほとんどなのだが。
とにかく、今現在フェイトが訪れている世界もそのような世界の管理外世界だ。
無人世界ではあるが、非人道的な違法研究が行われていることを突き止め捕まえに来たのだ。
「アルフ、そっちは全員捕縛できた?」
「もちろん。全員研究者って感じで弱っちかったよ」
「良かった……。では、違法研究者の転送をお願いします」
「了解しました。フェイト・ハラオウン執務官」
晴れて執務官となったフェイトはアルフ、それと他の局員を引き連れて違法研究所を落としに来た。元々、実力で言えば既に一流のレベルに達していたフェイトは執務官になるや否やメキメキと頭角を現していった。
今回の違法研究の検挙でもいかんなくその実力を発揮し、迅速に解決して見せた。
だが、彼女の顔は欠片たりとも明るくはなかった。
「それじゃあ、あたし達は生きている子達の保護に行くよ」
「……うん、行こっか」
何故ならばこの後には研究者達の研究の成果を見届けなければならないからだ。
違法研究にも種類は多いが、ここでは人体実験が行われていた。
そして、適応能力が高く、消えても怪しまれない子供達がそういった実験の材料として使われていた。
「……胸糞悪いったらありゃしないねぇ。フェイト、大丈夫かい?」
「私は平気だよ。それより……どうしてこんな酷いことを」
研究所の奥に進んだフェイト達を出迎えたのは無数の檻に入れられた子供達だったものだ。
その姿はもはや人間のそれではなかった。
不気味な鱗が体中を覆った子ども。体の下半分だけが牛になった子ども。
片腕だけが虎に変えられた子ども。
皆、一様にしてつぎはぎされて無理矢理縫われたような人形のようだった。
実際、研究者
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