十六話:現実と将来
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後ろの者達の安全だけは確保しなければならない。
決して退いてはならない。守らなければ管理局員足り得ない。
時には絶対的な強者を相手にして、命を懸けて立ち向かわねばならない。
その心構えを教える為でもあるのだ。
「日頃から自分の総合力で勝てない相手に対してどう戦うのかを考えさせるための訓練でもあるのよ」
「なるほど……」
「まあ、説明はこんなところかしらね。他には何かある?」
「えっと、教導中は部隊の人とは話したりしないんですか?」
「普通はあんまり話さない。そんな時間あったら技を叩きこんでやった方が良いし」
ペロリとケーキを平らげたロッテがまたしても簡潔に答える。
続いて、まだ残っているアリアの方のケーキを奪おうと画策するがアリアに肘鉄を入れられて断念する。
「ま、大体ロッテの言う通りね。ただし、一年以上同じ部隊を持つならちゃんと話しなさい」
「どうしてですか?」
「教師と実習生の違いみたいなものよ。実習生の時はみんな珍しいからよく言うことを聞いてくれるでしょ?」
「そう言えば、そんな気がします」
「でも、それは短期間限定。長い間一緒に居るのならしっかりと相手を知ってそれに応じた年間の計画を立てないと相手は聞く耳を持ってくれない。同じ教える行為でも短期間と長期間は別物と思った方が良いわ」
アリアの言葉を頷きながらメモに取っていくなのは。
因みにだが、このメモは士郎が人の話を聞く時にメモを取らないのは失礼だと教えた為に急遽用意したものだ。
「それに……もっと話していれば彼も理解できたかもしれないし」
小さく、憂いを含んだ声を零すアリア。思い出すのは正義に徹していた男の姿。
魔法の訓練もそこそこに誰かを助けるために最前線へと出ていった男。
もしも、もっと彼と話していれば今も彼ははやての傍に居たかもしれない。
そんな、どうしようもないことを思い、なのはに気づかれないように一つ溜息を吐く。
「さて、こんなものかしら」
「あ、はい。今日はありがとうございました」
「ちょーと、待った」
席を立ち、帰ろうとするアリアとなのはにロッテがストップをかける。
何事かと二人が見つめているところにロッテはあっけからんと言い放つ。
「父様にお土産買っていきたいんだけど、何かない?」
「え、えーと……」
「はぁ……この妹は」
結局のところ翠屋自慢のシュークリームを士郎から受け取って帰っていったリーゼ達だった。
おまけ〜イノセントに切嗣が居たら〜
「僕はシロウが良いと思うな」
「あたしはアイゼンが良いと思う」
「私は五右衛門がいいかと」
「私が五右衛門と名付けられたら噛みつく自信があるぞ、シグナム」
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