十六話:現実と将来
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つ。
そのあんまりな内容になのはは口を開いて固まってしまう。
そこへ、もう少しちゃんと説明しなさいとばかりにアリアが溜息を吐き、補足を行う。
「まず、教育隊と戦技教導隊は似ているようで微妙に違う。あなたは戦技教導隊よね?」
「は、はい」
「そこでやる仕事は主に分けると三つ。新装備や戦闘技術のテストや研究、訓練部隊の仮想敵としての演習の相手。それで最後が一番教導らしい預かった部隊への短期集中型の技能訓練ね」
そこで一旦話を止めて自分もケーキを口に運ぶアリア。
なのははその間に今聞いた話をメモに書き留めていく。
しかし、わざとアリアがそういった時間を作り出してくれているのだとは気づかない。
これも人を教える上での小さなテクニックだ。
子どもがノートを取る時間に説明する授業は結局どちらも厳かになるのと同じ理由だ。
「で、ロッテが言っていたのはその短期集中ってところが重要なの」
「ほんの少しの間で理論とか細々したこと教えるなんてムリムリ」
「だから、私達は基本的に実践訓練で相手の弱点を徹底的に突いたり、ワザと同じ戦い方をして効率の良い方法や欠点を教えたりするの。しかもそれを短期でやるから新人は大体ボロボロになるわけ」
「そうなんですか……」
要するに自分の足りないところを自覚させる為の戦いをすればいいのだ。
人間というものは横着なものでただ指摘されただけでは自分を変えようとは思わない。
しかし、徹底的に弱点を突かれれば、否が応にも変えようという意識が働く。
短期集中の場合だとこちらの方が身のためになるのだ。
「それと、徹底的に叩き潰すのは実践の為でもあるかな」
「普通の訓練なら自分の力より少し上の相手とやるぐらいが一番伸びが良い。勉強でも出来るところを何度もやるより、ちょっと難しいところをやる方が楽しいし伸びがいいでしょ?」
「はい、数学とかでもちょっと難しいなって問題の方が解くのが楽しいです」
「でも、これが実践、テストだったら受験になるかしら。その場合だとちょうどいい具合に自分より少し上の問題、敵が出てきてくれると思う?」
勿論、答えは否だ。相手はこちらの事情などお構いなく強いやつは圧倒的に強い。
受験も突如として意味不明とさえ思える問題が出ることがある。
そんな時にはどういった対処をすればいいのか。
それは常に一定の強さを持った敵と戦うだけでは身につかない。
リーゼ達はそういったことが言いたいのだ。
「自分よりも圧倒的に格上との戦い。自分が一人なら逃げるのが正解。命に代えられるほどプライドは高くないからねー」
「でも、管理局員はそうはいかない。後ろには同僚が居る、家族が居る。
何より―――守るべき一般市民が居る」
故に何があろうとも
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