2部分:第二章
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第二章
「けれどそれでもな」
「何か。冷たいよな」
「機械がいるみたいで」
「やっぱり好きになれないな」
「どうしてもな」
これが部下の彼への評価だった。彼は基本的には部下には何もしない。己の席で事務処理をしている動きも実に速い。そして。
彼の机は仕事に必要なものの他には何もない。何一つとしてだ。
ペンがあり書類がありノートパソコンがありだ。それだけだ。
ただひたすら無言で仕事をしていた。それが全て終わるとだ。
今度は自分のノートパソコンでだ。明日以降の仕事の予定を見たり部下の仕事のチェックをした。そしてその仕事に不備があると。
無言でメールで間違いを指摘してだ。終わりだった。
そんな仕事ぶりだった。とにかく無機質だ。
しかしその彼のところにだ。ある日だ。
警察のトップからだ。こう声がかかった。
「頼めるか」
「テロリストがですか」
「そうだ、過激派だ」
今ではかなり少数派になっている共産主義の系列の過激派だった。
「あの連中が暗躍をはじめた」
「ではマークをですね」
「そうしてくれ」
トップは彼にだ。密かに話した。
「そして何かあればだ」
「その時はですね」
「彼等を逮捕してくれ」
「そして必要とあらば」
しかしだった。ここでだ。
北條は強い声でだ。こう言うのだった。
「最終的な手段を採らせてもらいます」
「?まさか君は」
「何か」
「犯人を射殺することも考えているのか」
「相手はテロリストです」
これが北條の返答だった。
「ですから」
「いいのか?それをやれば」
「それをやれば?」
「君は」
「テロリストは許してはなりません」
また答える北條だった。
「それだけです」
「本気か」
「はい、本気です」
無表情でだ。答え続ける彼だった。
「では。その時は」
「一つ忠告しておく」
そのトップは厳格な顔で彼に対して述べた。
「若しそれをやればだ」
「私自身にですね」
「それでもいいのだな」
「そうだ、そうなっても保障できないぞ」
日本では何故か犯罪者の人権が妙に擁護される。テロリストに対してもだ。所謂人権派という面々がそれを声高に主張するのだ。
そうした面々は国家権力なるものに対しては妙に敵意を見せる。とりわけ警察はだ。今そのトップが言うのは彼等のことに他なrなあい。
しかしだ。それでもだ。
北條はだ。平然として言うのだった。
「構いません」
「左遷は怖くないのか」
「全くです」
そうだというのだった。
「何が怖いのか」
「言うものだな。人は出世できる立場になると左遷を恐れるようになる」
他には失脚もだ。とにかくその地位が崩れるのを恐れる様になるのだ。
その理由は簡単でだ。欲が出るから
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