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この異世界に統一神話を ─神話マニアが異世界に飛んだ結果─
03
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ちに、妙に詩的な物言いをするようになってしまった。なかなか治らない悪癖だ。

 そういえば、名前が先で名字が後なんだな。

「言い忘れたが、煌我の方が名前だ」
「ん……コウガ、って呼んでも言い?」
「問題ないよ」
「ありがとう、コウガ」

 本の少し発音に違和感があったが、青色の彼女は俺の名前を呼んだ。少しこそばゆいな。俺ことをファーストネームで呼ぶ女の子は居なかったからな……。

 というか、なんで言語が通じているんだ? さっきから気になっていたのだが、明らかに喋っている内容と口の動きが違う。

 そもそも、ここは本当に俺の部屋なのか? ドアが空いているが、その向こうには俺の部屋があるアパートの階段は明らかに見えない。というか洞窟があるように見える。

「……なぁ、アルブルートさん」
「シェラでいい」
「お、おう」

 弱ったな。女性の名前を呼ぶのは凄い苦手なんだが……仕方ない。

「し、シェラ。ここは……どこなんだ?」

 その問いを投げ掛けると、シェラは驚いたのか、目を見開いた。灰色なんだな、目の色。

 彼女は小さく「知らない……? やっぱり……」等々と何事かをごにょごにょと呟くと、少ししてから答えた。

「ここはガルシェの無人島」
「え、ギリシア?」
「ガルシェ」

 ……訂正されてしまった。うーん、最初はギリシアって聞こえたんだけどなぁ……。

「そのガルシェ? の無人島に、何故俺の部屋が?」
「分からない」

 ……ふむ。理由は不明、と。

「……あなたも、ここにいた理由は分からない……?」
「ああ。確か部屋で何かをしていたら気を失って……あれ、何してたんだっけ……うっ……!?」

 ずきり。

 気を失う直前にやっていたことを思い出そうとする俺の脳を、奇妙な熱が襲った。痛い。これはダメだ……!

「……大丈夫?」
「ああ……悪い、直前に何をしていたか思い出せないんだ」
「そう……無理しないで」

 優しい()だな。やっぱり俺の感じた通りだった訳だ。

 きっと彼女が、倒れていた俺を助けてくれたのだろう。しかしそうなるとなおさら、どうして彼女がここにいるのかが謎になってくる。

「シェラはどうしてここに?」
「……ガーゴイルに襲われて、落ちた」

 ……は?

「ちょっと待て、ガーゴイル?」
「そう。かなり保存状態がいいガーゴイル」
「いや、そうじゃなくてだな」

 ガーゴイルは、館や宮殿などを守護する石像の事だ。同類はスフィンクスとかだろうな。昔からよく『動く』伝説がついている事が多い。多いのだが……マジで動くなんて言うのは聞いたことがない。

「神話魔法で応戦しようと思ったんだけど……失敗した」
「魔法……!
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