暁 〜小説投稿サイト〜
剣の世界で拳を振るう
シノンの思考

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私は、つい最近になってここ、アークソフィアへとやって来た。
私の記憶を辿っても、新しく開発されたメディキュポイドで検査を行っていたはずなのだが、今はどうでも良いと思う。
そしてここに来てから数日、キリトが男の人をつれてきた。
会うたび新しい女を連れているということもあり、今回に関しては新鮮さを覚えた。

「……」

「?」

その人は私と目があって直ぐにそらした。
そんなに目付きが悪かった?ちょっとショック。

けど、その人に関して話されたことが驚愕に等しい内容だった。
こことは違う世界。SAOをクリアした。ここにいるメンバー全員と知り合いで、私たちは知らなくても色々と知っている。
正直怖かった。
会ったこともない筈の人物が私にたいしても知っていることがあるなんて見透かされているようで嫌だった。何よりもあの事件さえも知っているのではないかと考えてしまい、気が気じゃなかった。

「―――なら試してみるか?」

そう言った彼はキリトとデュエルすることに。
超近接型戦闘って言っていたけど、少しだけ興味がある。
キリトはこの世界でも有数のトッププレイヤーだし、あの人が何処まで食いついていけるのか興味があった。
結果は想像を覆した。
キリトは手も足も出せないままに、アッサリと敗北。
そのあとは下らない意地の張り合いに発展したけど、この人が在るのなら、この世界から抜け出すことも不可能ではない。そう思った。

けと、それも予想しない出来事で覆された。
ボスがいる部屋の前で、彼は見えない壁に弾かれたのだ。
そのあとは仕切りに謝ってきたけど、謝る必要なんてないと思う。
でも、それなら、と。

「埋め合わせはしてもらうから」

と、素直に言えずに伝えてしまった。
あとから思えば、もっと言い方があったんじゃないかと思ったが、後の祭りなのだから流れに任せよう。そう決めて話しあい、後日、私は彼と共にホロウエリアという場所に連れていって貰えることになった。

他の女の子達に「良い雰囲気だね!」とか「付き合ってたりするんですか?」とからかわれたが、絶対にそんなことはあり得ない。
私はただ、私の秘密を公言するなと、口止めをする機会を作りたいだけなのだ。
本当に、ただそれだけなんだから、気になるとかそんなんじゃない。

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