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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百二六幕 「星屑の一撃作戦」
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するのか。システムに異常はない筈だ、システムチェックに異常はない。いやチェックするシステムに欠陥がある。システムをチェックするシステムをチェックするシステムが必要だ。しかしそれでは誰が見張り(システム)見張(チェックす)るのか?」

 アニマス40は、誕生してから未だかつてない混乱状態にあった。
 これが人間であればふとした拍子に自分が混乱状態にあることを悟ったかもしれないが、その精神的な部分が彼女には明らかに欠如していた。

 だから、彼女は自らの行動に於いて正しいと判断でいる唯一の方法に頼るしかない。
 任務遂行の為の戦闘続行。ただそれだけが上位者の指示であり、自分の行動目的であり、今までの作戦はそれに到る為の道筋の一つでしかない。戦って勝つ。それだけが彼女の立てたプランの絶対目的だった。

 そこに、不確定要素を警戒した撤退などという思考はない。何故なら任務の成功率は計算上ほぼ100%だったのだから。だから、彼女は失敗した時や計画が致命的に狂った際に立て直すための方法を全く知らなかった。

(『テトラヘドロン』のステルスを完全に解除、完全戦闘モードに移行。弾丸を実弾からレーザーヘ。慣性制御アクティブ。バレット・フォーメーション!)

 自分の身体から伸びる二つの有線式正八面体型射撃兵器『テトラヘドロン』がその動きを代え、完全にアニマス40の身体に附随する形で砲撃を開始。目標と反対側に存在する角を除くテトラヘドロンの5つの角が光り、両方で計10門の砲撃。漆黒の宇宙を貫く高熱の閃光がセシリアの駆る海賊船(メアリ)に次々に飛来する。

 今まで発射の予兆が捉えられる可能性が高かったために実弾を使用していたが、本体のテトラヘドロンはレーザー兵器だ。こうなった以上、全ての戦闘機能を使用してセシリアを撃破する必要がある。アニマス40は更に両脚部のレーザー砲門を計6門、更に両掌のレーザー射出機構からも高出力のレーザーを発射する。
 だが、クイーン・メアリ号は既にアニマス40の位置を正確に捉えているために砲撃に完全に対応していた。左右にぶれるような高速軌道からのバレルロールで次々にレーザーが躱されていく。

「遅いッ!!狙いは正確ですが、それゆえに予測は容易いのですよッ!!」
「くっ……馬鹿な、照準が追い付かない!」

 焦りの悪循環。戦えば戦うほどに感情のエラーが累積がアニマス40を追い詰めていく。
 佐藤さんに並ぼうかというセシリアの回避テクニックは、クイーン・メアリ号という大きな船によって更に速度を増していく。

「何なのだ………貴様は何なのだ!セシリア・オルコット!!何故こちらの予測を上回る!私の頭に何をしたぁッ!!」
「何なのだはこちらの台詞ですッ!!これから人類が宇宙へ手を伸ばそうと言う時に、貴方は何故
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