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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百二六幕 「星屑の一撃作戦」
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という事はつまりセシリアの推理が決定的に間違っていることの証左にも思える。
だが、ひとつだけ――セシリアにはヒントがあったのだ。
敵は、連合王国しか知りえない航行ルートを完全に把握していたかのように狙撃してきた。セシリアの考えうるあらゆるステルスも、待ち伏せすることを前提としている。ということは、相手にはこちらの手の内の大部分が知れている事になる。
ならば――開発部が思いつきもしなかったシステムの盲点を、敵が突いている可能性はないだろうか。『察知しているけれど、それが敵だと気付いていない』可能性はないだろうか。
それは、まさに盲点だった。
「1メートル以上の直径を持つ
宇宙塵
(
デブリ
)
ですわ!!あの敵はその裏にニンジャのように張り付いてステルスを発動させていたのです!」
『そんな訳があるかぁッ!!この地球の重力圏近くにそんな都合よく待ち伏せできるようなトロい宇宙塵なんぞ……!』
「そう、ないのです!そんな宇宙塵が都合よくある訳がない!だから敵はそれを意図的に作った!ISと同等の性能があればそれを設置するのは造作もないことなのですから!」
『そんな宇宙塵は不自然過ぎる!!あったらそれこそISのレーダーで探知出来る筈だろ!!』
「当然です!普通なら気付くのですよ、『普通なら』!でも今回、このクイーン・メアリ号に搭載されたあるシステムが、その不自然さを完全に塗り潰していたのです!!」
管制は言葉の意味を図りかねて黙考するが、つららはその答えに心当たりがあった。
『つまりそれが
宇宙塵
(
デブリ
)
回避システムだったんですよね、お姉さま!!言われるがままにシステムをノンアクティブ化させましたけど、なんて単純なんでしょう!』
宇宙塵回避システムとは、衝突可能性のある宇宙塵を素早く検知して船体を護るためのシステム。
それが意味するのは、余りにも単純であるがために開発チームも見落としていた簡単な欠陥だった。
「そう……単純明快なのです。なにせ、『衝突可能性のない宇宙塵は危険度0となり、探知から自動的に除外される』のですから……敵はずっとレーダーには映っていたのです!しかし宇宙船の探知システムと同期させたブルー・ティアーズでは……いえ、そうであったからこそ、敵のステルスが完全だった。敵の隠匿を完成させたのは、我々の頼るシステムの方だったのです!!」
= =
「ありえない。ありえない。論理的思考回路に致命的なエラーが発生している。エラーが発生しているのに、システムスキャンによる異常が確認されない。異常事態である。異常事態発生の原因が特定できないことは論理的には異常がないと解されるが、この状況に置いて異常がないと認知することが異常である。異常とはなんだ。システム的に見落としが存在
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