第1章 幻想御手編
第4話 幻想御手
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いみたいよ」
と佐天がサソリの置いたかき氷を持ちサソリの額にあてた。
不思議と痛みが和らいでいく。
知識だけでは通用しない経験だ。
「そういえば、さっきの会話の続きだけどレベルアッパーの噂。サソリは何か知ってる?」
御坂がかき氷を口に含みながら言う。
「れべるあっぱー……?」
初めて聞く言葉に眉間にしわがよる。
「流石、お姉様!怪しい連中が持っているということで聞くなんて」
「違うわよ!サソリは一応、まあ、忍者だから術であるのかなって……簡単に説明すると、短時間で能力を引き上げることができる装置かな……サソリは何か知ってる?」
短時間で能力が上がる。
「無いことはないな……」
「そうよね、そんなに都合良く……ってええええええええ」
「そのれべる何とかというのは?」
「詳しくは知らないけど……」
佐天はレベルアッパーの情報を知っている限りのことを話してみる。
使用した者は自分の能力のレベルが格段に上がる。
しかも簡単に。
どこかの学者が遺した論文か。
料理のレシピか。
そして幻想御手(レベルアッパー)というものを使ったという人の書き込みがインターネットの掲示板にあるということ。
「ただ、都市伝説みたいな感じで」
サソリは少し考える素振りを見せると……
「何かリスクはあるか?」
「今のところは」
「……オレのところで短期間に術の性能が上がるのは、丸薬を飲むか、八門遁甲をこじ開けるかだな」
サソリは、残りの氷を掻き込んで言う。
「がんやく、はつもんとんこう?」
「薬を使ってチャクラを上げるのと脳のリミッターを意図的に外すということ」
「使うと」
「相応のリスクがあるな。力が強大になればなるほど身体の損傷が激しくなって、最悪の場合死に至る」
サソリの言葉に、白井と御坂は少しだけある情報が頭を過ぎる。
一連の事件に原因不明の昏睡状態に陥ってる学生がいるということだ。
サソリは融けて液体状になった氷シロップを飲んでいくと。
「別にリスクがないなら、使っていいんじゃねーの?」
「そういう訳にはいかないでしょ。もしかしたら危険性があるかもしれないのに……現に」
と言ったところで御坂がしまったと云わんばかりに口を押えた。
「現に……か。ということはお前らなんか知ってるな。それも悪い情報を」
白井が頭を抱えると口を押えている御坂より前に出ていく。
「まだ調査段階ですのよ」
「そうか、まあいいや……オレはそれがどんなものか知らねえし」
バツが悪くなった白井が御坂を連れて病室から消えていった。
後に残った佐天はイスに腰かけながらサソリの方へと顔を向ける。
「レベルアッパーってマジモンなの?」
「変な言い回しだな。あの感じだとありそうだな……」
サソリの病室に夕日が差し込んでくる時分だ。そろそろ
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