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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第1章 幻想御手編
第4話 幻想御手
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む。
「!?」
白井が移動したベッドの反対側で白井とサソリが睨み合ったまま動かなくなり、即座に臨戦体勢となる二人の間に火花が散り始める。イメージ的には凶暴な猫と毒槍を折られた蠍の映像が浮かぶ。
「ハイハイ、おとなしくしなさい」
と手を叩いて御坂が睨み合う二人をなだめる。
「生意気な娘は嫌いだ」
「あら、奇遇ですわね。私もですわよ。たかが、一睡できないくらいで大騒ぎするようなお子ちゃまには私の魅力なんて到底わかりませんわ」
傀儡さえあればこんな小娘……
「そこまで!!」と佐天が両者の頬にかき氷をくっ付けさせる。
「「冷た!!」」
2人は目を見開いて行動を起こした佐天と氷を交互に見る。
佐天は満面の笑みで「かき氷買ってきたから、おいしいから食べましょうよ」
公園買ってきたかき氷を見舞いの品としてサソリの前に並べ始める。
「かき氷?」
「まさか、かき氷を知らないってことはないわよね」
「違えよ。オレのところにもあったし」
「さすがにそこまで田舎者ではないみたいね」
「ただ、食べるのは初めてだ」
う……何か触れてはいけない部分に触れてしまった気がする
「……あんた大変だったのね。よく耐えたわ」
なんかの勘違いをしたらしく、涙ぐむ御坂に背中をバンバン叩かれた。
体中の凄惨な傷跡を思い出して、更に悲しみに追い打ちをかける。
「ほら、量なんて気にしなくて良いからたくさん食べなさい」
「今回は、特別ですわ」
「はいスプーンですぅ……グズ」
「お前ら何か……」
「言わなくて結構。何かあれば暴力を振るわれ、寒い中をベランダに出され、今日生きていくのに必死で……虐待反対!!」
「そして、ひねくれた性格に……ああ、なんてかわいそうなんでしょう」
「よくここまで逃げてきたわ。えらいわ」
壮大な勘違いをしているが、面倒なので出されたかき氷をスプーンで掬って食べる。
「……氷なんて食って何になるかと思っていたが……意外に上手いな」
サソリは、元の世界では人傀儡として生きてきたため、物を食べることをしなくても生きていられた。しかし、人間の身となっては食べなければ生きていけなくなる。
思えば、人間としての生命維持義務を果たさずとも生きていけた。
サソリは、自分の生命力の強さにまあ感心した。
そして、頭に強烈な痛みが増して顔を伏せる。
「痛っ!!」
額の辺りに冷たい棒が射しこまれたような痛みに眼をつむって耐える。
「お、早速洗礼を味わいましたね」
「まあ、食べたことがないなら経験ないわね」
サソリは、何か自分の体に不調が起きたのかと錯覚したが、三人の様子を観察している内にこの原因というのが自身が握っている氷にあると察した。
「なんだっけ……アイスクリーム頭痛って言うやつでしたっけ?痛くなったら額にかき氷を当てると良
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