第1章 幻想御手編
第4話 幻想御手
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うになり、ベッドの上へと自由落下で落ちてきた。
その後サソリは看護師と佐天、初春に自分の行いを責められたがサソリの興味は別のところにあるため聞き流す。
******
とある昼下がりの公園でブランコに乗りながら、景気よく自分の履いている靴を蹴り飛ばす黒髪の女性がいた。最初に出てきた物語の語り部「フウエイ」と名乗った女性だ。
蹴り飛ばした靴の着地地点を視覚で確認するとブランコから降りる。
「さて、明日の天気は?」
ケンケンと片足で跳ねながら自分の靴を見に行く。
「雨ですか……」
裏返しになっている靴に少しだけ元気をなくす。
「しかし、これから私の能力を使って『晴れ』にいたしましょう」
黒髪のセミロングの女性は両手を広げると、周囲の砂場から黒い砂が集まりだして、靴の周囲を取り囲むとフワフワと空中に浮かべ、靴の向きを正し落とす。今度は靴底が下になった状態だ。
「はい、晴れになりました」
パチパチと笑顔で拍手をすると靴を履いていく。そのような奇異な女性を何やら物珍しそうに周りの子供と学生がチラチラと見ていた。フウエイは周囲の関心が自分に向いたところで演説を始めた。
「このように能力があれば、明日の天気がコントロールできますね……はい?インチキだ?いえいえ、とんでもない、戦略の一つですよ。ここに集まっている人は見事に私の目論見に掛かりました。注意を引くという目的に……です」
フウエイは砂を集めて、手のひらでクルクルと球状に回しだした。
「あなたは、もし簡単に能力が手に入ったり、能力の性能が上がったりしたときに何に使いますか?私のように明日の天気を占いますか?いや、ここは」
フウエイは砂を人型に変えて、思い切り殴り飛ばした。
「日ごろの鬱憤を晴らすように暴れてみますか?……それはあなたの選択です。でも、能力が手に入った背景を知らないと大変な目に合いますよ……」
フウエイは袂から場違いな音楽プレイヤーを出して、イヤホンを耳にセットする。なにやら音楽を聴いているようだ。
そして、赤い髪をした人形を出すと。
「まあ、私の興味はサソリ様の活躍でございますが」
赤い髪をした目つきの鋭い人形を手にして抱きしめた。
「いよいよ、第1章の話へと進みましょう」
女性は人形に糸を飛ばして、赤い髪の少年を静かに動かし始めた。
第1章 幻想御手(レベルアッパー)編 始
学園都市には冒頭で述べたように超能力開発に力を入れている。しかし、超能力というのは個々人の才能に寄与することが多く。最初から高位能力者になれる者もいれば、思うように開発が進まずに低能力者の烙印を押されるものも少なくない。それによりランク付けされ暗黙の階級というのが存在してしまう。この世は形を変えても弱肉強食の理から外れることはなかった。そのため下位の能力者は1日で
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