第9話 変化する朝
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闘気と怒気を合わせてから大声を上げる事で、周囲にいる標的たちの聴覚に侵入させて思考回路や平衡感覚をかき乱す技だ。
しかし今のは闘気抜きなので、単なる近所迷惑並みの騒音だ。
しかしご近所さんからしてみれば、久しぶりの大河ちゃんの咆哮ね〜なんていう風に近所迷惑だと思うどころか、むしろ懐かしさに浸っている所がほとんどだった。
そして興奮収まらない大河は、士郎の胸ぐらを掴みながら問いただそうとする。
「答えなさい、士郎!如何して、如何して百代ちゃんが此処に居るの!?まさか昨夜から連れ込んだんじゃないでしょうね!お姉ちゃん許さなはぶ!?」
「取りあえず、それ咀嚼しながら聞け」
いい加減喧しかったようで、自分の皿に分けておいた粗びきウインナーの1本を大河の口に栓をするように詰め込んだ。
その士郎の行動に美味しいと感じながら我に返った大河は、冷静に話を聞いた。
「――――って事で、今日から来てもらってるんだ。これで解ってくれたか?」
「はむはむ・・・・・・んぐ。――――事情は分かったけど、士郎もケチよね〜?可愛い女の子に驕ったとでも思って、直にチャラにしてあげてもいいんじゃないの?」
「で、ですよ――――」
「藤姉は随分と川神の肩を持つんだな〜?」
「な、何よ士郎。その笑みは・・・」
普段はまず見る事のない怪しい士郎の笑みに、大河は警戒を露わにする。
「まぁ、未だに雷画の爺さんから小遣い貰っている身としては、不用意に川神の事を責められないからだよな〜?」
「う、うぅ、何よ良いじゃない!私が要求してるんじゃなくて、御爺様が好意でくれるんだから!」
「だったらこっちの事にも口を挿むのを辞めてもらおうか。川神が誰にも迷惑かけてないなら俺だってこんなことしてないんだ。けど実際には、多かれ少なかれと迷惑してる人間が出てきてるんだ!その上でこれ以上口を挿むって言うなら、雷画の爺さんにリークするしかないな」
「・・・・・・・・・・・・」
百代は自分の事がメインの筈なのに、士郎と大河の言い合いに口を挿めず細々と朝食を進めていた。
そうしていく内に、あっという間に大河は劣勢に追い込まれて行った。そして――――。
「士郎の・・・・・・馬鹿ぁあああーーーー!!ムシャムシャムシャムシャムシャ!!!」
追い込まれた大河は、泣き声を上げながら自分の分の朝食を食べると言う器用さを発揮し始めた。
そして直に食べ終えた大河は、御茶碗を叩き付けるように置く。
「うわぁあああああん!!」
で、泣いて行ってしまった。
しかし、大河の反応を見ずに士郎は台所へ戻っていく。
そんな時に、遠くなっていったはずの大河の泣き声がまた近づいて来た。
「
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