第9話 変化する朝
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これをこなしても、体を破壊してしまう結果となる。
こうして士郎は毎日この鍛錬を熟して行き、地力の面での現時点では百代を上回るパワーと防御力を獲得した。特に防御力は、マスタークラス以下の実力者が本気で肉弾攻撃を行えば、逆に怪我をする又は攻撃部位を痛める可能性が高い程の堅牢さだ。
マスタークラス以上の実力者の全力攻撃にも、何十発と耐えられる頑丈さでもある。
この辺りは魔術属性が剣である所以だった。
まぁ、現時点でこの事実を知っているのは、かなり数が限られるが。
ただ生まれ持っての骨格状、何所までもアメリカ人並にはならない位でタイツの様なぴったりとした服装でもない限り、着やせして見えるのも特徴的だ
閑話休題。
「ふー、これで終わりだ」
最後にこなしていたのは、人差し指1本だけで逆立ち上での筋トレだったのか、これまた人差し指1本で跳躍させてから着地する。
そうして士郎は何の余韻も味合わず、何時もの様に掃除を開始しようとする。
「あっ、そうだ。川神に詳しい説明しないとな」
一瞬だけ百代の事を忘れていた士郎は、彼女のいる庭に瞬時に駆けて行った。
−Interlude−
「はぁ〜」
百代は深い溜息をついていた。
早朝から他人の家の庭の掃除をしないといけない上に、自分の企みも看破された結果、大してやる気も出ずにダラダラと掃除をしていた。
「おい、川神。何時になったら終わるんだ」
「うわっ!?衛宮!」
そんな時に突然音も気配も無く、背後から士郎に声を掛けられた。
「まったく、今日のはもういいから休んでくれ」
「お、お前は如何なんだ?この広い範囲を1時間で終わらせるなんてできるのか!?」
「俺は毎朝やってるんだ。しかも今日から庭は一応やらなくて良いんだから、とっくに終わったぞ」
士郎の家事スキルは今や、世界トップレベルだ。
それに加えて身体能力だけなら、マスタークラス内でも上位に入る。
この2つを合わせた上で、極限なまでに効率的に行えば、そこそこ広い衛宮邸の敷地内全部の掃除など、文字通り朝飯前だった。
「ぐぬぬぬ」
「ほら、地団駄踏んでないで居間に早く来い」
「・・・如何して居間に行かなきゃならない?まさか溜まりに溜まったツケを盾に、私にエロい奉仕を要求するつもりか!?」
百代のあんまりの発言に士郎は嘆息する。
「そんな事する訳無いだろ。川神じゃあるまいし」
「如何いう意味だ!?」
「そのままだ。川神は可愛い女の子の前だと、若干オッサン化するって京に聞いた事があるんでな」
「クッ!」
「・・・・・・否定しろよ」
百代の反応に、心底溜息をつきながら士郎は呟いた。
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