マブラヴ
1224話
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く。
実際、そう言われるだけの状態になっているのだから、俺としても納得するしかない。
「全く、それを取り出したのがアクセルだからいいけど、もし他の人がそんな真似をしていたら、多分後で厄介な事になっていたわよ?」
「そうか?」
確かに普通ならそういう揉め事が起きてもおかしくはないが、今回の場合は作戦に参加している面子が面子だ。
火星の息吹作戦に参加した者は当然各世界で選りすぐられた者達であり、そうなれば迂闊な行動をするようにも思えない。
「アクセルは色欲と食欲は信じられない程に強いけど、物欲は乏しかったわね。分からないかもしれないけど、目の前に信じられない程のお宝があれば手を出してしまうって人はいるのよ」
「……今の、色欲とか食欲って言う必要あったか?」
レモンにそう答えつつ、確かにこのままの状態だと色々と面倒な事態になるのは避けられないと判断し、持っていたゲイ・ボルクを空間倉庫へと収納する。
そうして、ようやく俺達の周辺は平常に戻る。
「うわ、うわ、うわ……凄いよアクセル君。あんなに凄いの、見たの初めてかも」
ネギも再起動を果たし、俺の方へとこれまで以上にキラキラとした目を向けていた。
その視線には憧れはあっても、レモンが言っていたような物欲がない。その辺はネギがネギたる由縁だよな。
このまま、その純粋な気持ちを持ち続けて欲しいものだ。
そんな風に10分程ネギと話をし、やがてネギも他の人とも話をするって事で去って行く。
そんなネギを見送り、俺はテーブルの上に置かれてあった春巻きを小皿に取る。
テーブルの方に何らかの仕掛けがしてあるのだろう。まだ十分に春巻きは暖かく、それでいながら皮はフニャリとならず、パリパリのままだ。
……うん? いつも食べている春巻きに比べると……随分美味いな。
味に奇をてらっているって訳じゃないが、間違いなくいつもよりも美味い。
「アクセル、今回の……うん? どうした?」
何かを話し掛けようとして近づいてきた星刻が、俺の様子を見て不思議そうな表情を浮かべる。
「いや、この春巻きが美味いんだけど、何でこんなに美味いのか理解出来なくてな。具は普通の春巻きとそう変わらないんだけど」
「ふむ? ちょっと貰うぞ」
中華料理でもある春巻きという事もあって、星刻も興味を引かれたのだろう。テーブルに用意されている箸で春巻きを取って食べる。
「これは……確かに美味い。美味いが……肉? そう、これは……鶏のささみか!?」
「ささみ? ……別に具のどこにも入ってないだろ?」
細かく刻まれた肉が入っているが、それはささみではなく豚肉だ。
他の具にしても、タケノコを始めとして有り触れたものでしかない。
それでいながら、いつも
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