Chapter 5. 『あんたを倒して俺は帰る』
Episode 30. I am always with you
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ゃん、もう着てたのカ。ンじゃ一応、ハッピーバースデー!」
「ア、アルゴ?」
気楽そうに手をひらひらと振っている彼女の後ろには、遅刻組と称されたキリトとアスナの姿があった。キリトは、よっ、と軽く手を上げ、アスナは「おめでとう、リーナ」と言って笑いかけてくれた。昼間会った時とは違い、カジュアルな私服に着替えてきている。
猶も状況が飲み込めない私は、アルゴたちに押されるようにして店内に入った。どうやら貸切になっているみたいで、中には私の知っている人ばかりがいた。リズ、エギル、黒猫団の面々、ディアベルたちSSTAの幹部――総勢三十名弱が、決して広くはない店内に勢ぞろいしていた。
「あの、えっと……あ、アルゴ、これは一体……?」
「一応言っとくケド、オレっちは関与してねーゼ? こんな大がかりなパーティーになってるなんてつい今日の朝まで知らなかったシ、そもそもコレをやること自体、一昨日聞いたばっかりなんだからナ」
「そうそう、アイツに急に言われたのよ。リーナの誕生日パーティーやるから手を貸してくれって。全く、言うならもうちょっと早く言えってのにね」
頭の後ろで手を組んだアルゴの発言に、苦笑しながらリズが言葉を付け足す。
「……ま、そういうことだぜ、リーナ。イベントとかに興味無さそうな態度取ってても、あいつもあいつでけっこう考えてるってこった」
にやり、とした笑みを浮かべたエギルの台詞を聞き、そういえば、と私は未だ見えない彼の姿を探すべく周囲を見渡そうとして――
「……よっと」
「ぐぇ」
後ろから布のようなもので首を絞められた。
思わずみっともない声を出すと、背後から「あ、ワリ」という声が聞こえた。
「オイオイベリっち、大事な相方を公開絞殺してんじゃネーヨ」
「うるせーな。意外と力加減が難しいんだよ、これ……っと、これを、こうして……よし、こんなモンだろ」
わけもわからずされるがままになること十秒、私の首には、綺麗な純白のマフラーが巻かれていた。店内の暖かなランタンの光を受けて穏やかに輝き、両端にはオレンジ色で雪の結晶のような形のワンポイントが染め抜かれている。
そして、それを私に巻いてくれたのは――
「よ、一日放置して悪かったな、リーナ」
「一、護……」
いつもの襟なしコートではなく、ちょっとシックなジャケットを着込んだ一護だった。
「本当なら、昼間は七十五層に新しくできた露店街で、食い歩きとかする予定だったんだけどよ。飾りつけとか食材の調達とかが思ったよりも手間がかかっちまったんだ。ホント、ワリーことしたな」
「オマケにアシュレイのトコでマフラー作ってもらうのも、相当難儀したんダロ? 死神代行があの女性プレイヤー御用達の店に突撃するシーンは、中々面白か
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