Chapter 5. 『あんたを倒して俺は帰る』
Episode 30. I am always with you
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<Lina>
「……ンデ? その後の進捗はどーなんダ、リっちゃん?」
「……全然、ダメダメ。一歩も進展なし」
「ぅオイ!! ナンデだヨ!! もうアプローチ始めてから四か月じゃネーカ! コンナ美少女があからさまな態度で擦り寄ってンのに、ナンデあのヤンキー死神は一向に靡かねーンダヨ!!
あれカ!? 実はオレっち達が予想だにシネー類の性癖の持ち主とか、年下は守備範囲外とか、そーゆーオチなのカ!?」
ウガーッ! と、女子にあるまじき大声でアルゴが吼え散らす。ぶっちゃけ私もそうしたいところだけど、二人揃って叫んでても仕方ない。
理性をフル活用して自制しつつ、手元の瓶から直接ワインモドキを一息に呷り、空になった瓶を投げ捨てた。
ここは五十層主住区「アルゲード」西部の居住区エリアだ。
ありふれた四階建ての雑居ビルにあるアルゴの居室に朝からいきなり連行された私は、そこで「一護骨抜き大作戦(アルゴ命名)」の進展が捗々しくないことを報告していた。
朝食代わりに買い込んできたらしい雑多なジャンクフードに安ワインという二次会セットに手を付けながら、私はため息混じりに言葉を返す。
「それなら諦めもつくけど、生憎彼は至極ノーマル。多分、年齢の上下も関係ない」
「だったラ、ナンデ色仕掛けが失敗なんダヨ? 風呂上りのリっちゃん、しかもレースの黒下着バージョンに寄られても悩殺されねートカ、普通の男ならありえねーダロ」
「……悩殺以前に、視認一秒後には風呂場に叩き込まれた。あの人堅いから、女の子の下着姿ガン見とかしないと思う……多分」
服着ろこのボケ!! という叫び声と共にアイアンクローを一閃、顔面を鷲掴みにされてそのままバスルームに投げ込まれたことを思い出す。
流石に直後は顔が真っ赤だったけど、次の朝にはけろっとしていた。多分、そういう方面でアプローチしても女の子として好いてもらえそうにはない。
「ンー、エロ路線がダメ、世話焼き路線も目立った反応ナシ。となると……あとはギャップ狙いはドーダ? リっちゃん普段無表情ダシ、ココはものっそい笑顔で迫ってみるトカ」
「心配されるか、食べたい物を強請りにきたと思われるだけ。効果は期待できない」
「じゃあ、服変えてみるカ? いつものニットとホットパンツじゃなくて、ジャケットでクールっ子トカ、甘めがいいならカーディガンに膝丈スカートって感じデ」
「一護に女の子の服の好みはない。変えても流される可能性大」
「ムー、ンじゃあ……いっそ過程スッ飛ばしてハダカで寝込みを襲っちまうトカ――」
「アルゴ殺すよ?」
「ぅヒィ!?」
私の愛剣『カルマ・エゴ』を喉元に突きつけられて、アルゴは引きつったような声で悲鳴を上げた。咥えていたチュロスがポロッと床に落っこちたけど、
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