第一話
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在が分かっているなら、話を聞いてみればいいんじゃないか?」
俺の質問に、キリトは更に神妙な顔つきで話す。
「それがな、一階層の施設にいた人たちは、皆突然消滅したらしい。」
「なっ・・・」
どういう事だ?
この世界で消滅したという事は、、、
「モンスターにやられた、のか?・・・まさか、ラフコフとか、殺人ギルドの連中に?」
ラフコフとは、殺人ギルド【ラフィンコフィン】の事である。このデスゲームと化した世界で殺戮を楽しむ、俺が心底軽蔑する人種だ。いずれは攻略の妨げになると危惧されている連中なので、捕まえて牢屋に入れる必要があると思っている。
「いや、消滅した場所は施設内らしい。施設があるのは勿論街中だ。モンスターは出ないし、PKも基本的に出来ない。それに・・・」
キリトは更に続ける。
「全員バラバラのタイミングで消滅したらしい。現れてから数日の人もいれば、数時間の人もいたらしい。」
謎過ぎる事件だな。キリトの語尾がさっきから「らしい」って事が、更に噂レベルだという事に拍車を掛けている気がする。
まぁ、新たなプレイヤーというのが本当だとしても、今更何だというのだ?
攻略組に参加する事はかなり厳しいだろうし、街で大人しく暮らす他はないんじゃないだろうか?俺はそう考えると、この話題に対する興味を失っていった。
「ま、そんな話があるって事を聞いたんだよ。」
キリトは先程記した情報屋から、その手の情報をたまに仕入れている。
大体は噂レベルらしく、情報屋も「金をもらう情報じゃナイ。」と言っているらしいが。
「ふむ、どの道、高階までは来ないだろうから、あんまり関係無い話かもしれんな。」
俺は水の入ったコップを持ちながら言い、中の水を飲み干した。
「ご馳走さまでした。」
俺とキリトは食事を終えると、店を出た。
「それじゃ、またな。」
キリトが軽く右手を挙げ、挨拶をする。
「あぁ、またな。死ぬんじゃないぞ。」
俺も軽く右手を挙げて返事をする。
「ジンガもな。」
軽く笑いながらそう応えると、キリトと俺は別々の宿屋に向かっていった。俺たちの挨拶はいつもこんな感じだった。恐らく、リアルでの年齢も近いのだろう。少なくとも、キリトは年上には見えない。
俺は宿に戻ると、直ぐにベッドに横になった。
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