第36話 零治の過去
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名前は?」
「………有栖零治」
そう言って零治君は行ってしまいました。
これが初めて零治君の名前を知った出来事です。
「すずか?」
我に返った私は回りを見てみる。
いつの間にか授業は終わっていて、私の様子をアリサちゃん、フェイトちゃん、フェリアちゃん、零治君が心配そうに見ていた。
「大丈夫か?」
「うん、少し考え事をしていたから………」
「大丈夫なの?私で良ければ相談に乗るよ」
「ありがとう、フェイトちゃん。でも大丈夫だよ」
「そうか、なら早く戻ろうぜ。今日は魔王様がいないんだ。ぐっすり寝たいし」
なのはちゃん、はやてちゃんは明日まであっちの世界にいるようです。フェイトちゃんも学校が終わったら直ぐに向かうと聞いてます。
「それはさせるなと魔王様のお達しだ」
どこからか広辞苑を取り出すフェリアちゃん。
「なのはめ余計なことを。いつかこの復讐を………」
「確実に返り討ちね」
アリサちゃんの言葉に笑いが生まれる私達。
零治君が本気を出せばと呟いているけど多分無理だと思うな。
季節は冬になりました。
あの事件の後、私は零治君をすぐに見つけることが出来ました。
あの女の子と話している所を目撃したからです。
ちゃんと正面から顔を見れたのは初めてで、初めて見て気がついたのだけど、死んだ魚の様な目でした。
まるで、今この時間が退屈で、学校に何の楽しみも感じてない様に思えました。
正直、私はこの時、そんな零治君を不気味に感じていました。
そして私が小4になった頃。
闇の書事件と呼ばれる事件に巻き込まれて、魔法の存在を知った私は零治君の事をすっかり忘れていました。
あの後どうしているのか。ふと思い出したので見に行く事にしました。
なのでまた教室を見て回りました。
今度もすぐに見つけましたが、私は驚きました。
相変わらず、眠そうにあくびをしていますが、決定的に違う部分があったからです。
相変わらず死んだ魚の様な目だった零治君でしたが、前よりも雰囲気が柔らかくなっていました。それたけではなく、前のときみたいに人を避けているようでしたが、それでも前以上に色んな人と話していました。
一体何があったのだろう…………
ホームルームが終わり、みんなそれぞれ帰り支度をしていた時です。ふと外を眺めるとダッシュで帰っている零治君を見つけました。
あんなに急いでどうしたんだろう…………
しかしそれ以上に学校にいるときよりもいきいきとしてました。
学校以外に何か楽しみが出来たのでしょうか?
その次の日もその後も零治君は放課後直ぐに帰っています。中庭で寝ているこ
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