第36話 零治の過去
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「あれ?」
物陰から覗いていた私は、その5人のやりとりを見ている女の子がいることに気がつきました。
頭の横に2つのお団子を作っている女の子。
今にも泣きそうな顔で様子を見ていました。
「いい度胸じゃねえか、これは教育しがいがありそうだ………」
杉山くんと呼ばれた男の子がニヤリとして、あの男の子の肩を掴みました。
「ちょっと付き合え」
そう言って、何処かに連れていってしまいました。
私はまずいと思って先生を呼びに行こうとしたのですが、団子の女の子がそれを追っていったので私も追うことにしました。
後ろから見つからないように付いていきながら進み、着いたのは裏庭。
「さあ、最初の一発はくれてやる。どこでも好きにしていいぞ」
杉山くんと呼ばれた男の子は大きな手を広げ、挑発してきました。ニヤニヤしながら零治君を見ています。
「………………」
あの男の子は無言で構えます。
だけど次の瞬間!!
あの男の子は杉山くんの頭上までジャンプして、高々と上げた足をそのまま斧の様に降り下ろしました。
「へっ?フゴッ!!」
杉山くんは全く反応できず、もろに食らってそのまま倒れました。
「「「杉山くん!?」」」
他の3人は大きな杉山くんに向かって叫びました。
3人もまさか3年生に負けるなんて思っていなかったのか慌てて駆け寄ります。
「で、まだやるか?やるんなら容赦しないけど………」
男の子はヘラっとしながら言います。
そんな様子に怒った3人ですが、男の子の目が尋常じゃないくらい怖く、3人は動けません。
「やるんだったら、容赦はしないけどな………」
また構える男の子
「くそっ、覚えてろ!!」
ありきたりな捨て台詞を吐き、3人は気絶している杉山くんを抱えて逃げてしまいました。
「つまんねえな、暇潰しにもなりやしないや………」
あくびをしながらそんなことを呟く、男の子。
「おい、出てこいよ」
後ろを向いて、私の方を見て言いました。
隠れたけど見つかっちゃった!?
「………ごめんね、心配になったから」
出てきたのは団子の女の子。
私じゃなかったか………
「これで問題ないだろ」
「でも、ここまですることは………」
「ただぶつかっただけで女の子にごちゃごちゃ言ってくるアイツが悪い。だけど、お前もちゃんと前見て歩かないと危ないぞ」
どうやら女の子をかばってこのような状況になったらしい。
実は優しい人なのかも。
「さて、俺は授業をサボるからじゃあな」
と、どこかへ行こうとする男の子。
「まっ、待って!!」
「ん?まだ何かあるのか?」
「なっ、
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