暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルなのは〜優しき狂王〜
Vivid編
第五話〜今の日常と男の気持ち〜
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い?何が?状況証拠だけだろう。でも、彼女も彼も一緒に住んでいる。だけど――――)

 歯止めの利かない思考のせいか、ユーノはライの方に視線を向けてはいるがそれでいて、彼自身を見ているわけではなかった。だからだろう、今はライ自身もユーノの方を見ていることに気付かなかったのは。

「――――?」

(彼が僕と会ったのは偶然。だけど、これをセッティングしたのははやて。ということは――――)

「――大丈夫ですか?」

「……え?」

 頭の天辺から爪先まで、どっぷりと思考の海に浸かっていたユーノは、鼓膜を震わす声と、自身の揺さぶられる感覚で意識が現実に戻ってくることになった。
 そちらに視線を向けると、開かれたパネルやキーボードを離れ、こちらを気遣うような表情で肩を掴んでいるライの姿がユーノの瞳に映る。
 普段のユーノであれば、この時点でいつもの自分に戻れていただろう。だが、生憎と今彼の頭の中には『年齢が一桁であった頃から続けている片思い』についての重要なことを考えていたため、思考が現実に戻ってきていたとしても、冷静ではない。
 何故なら――――

「君は――――」

 ぼんやりとはしていても――――

「なのはの事を――――」

 彼にとっての十四年間の気持ちをはっきりさせる為の――――

「どう想っているの?」

 疑問を明確に口にしたのだから。






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