Vivid編
第五話〜今の日常と男の気持ち〜
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業のカバーにまで回っている。
(彼は人を使うのが巧い)
ユーノの感想はその言葉に集約されていた。
ユーノは自身の能力が高すぎるせいで、ついて来ることができない他人にどういう風に仕事を振ればいいのか分かっていなかった。そして、分野がより専門的であるため、自身のペースで作業をすることが重要であることを理解しているため、下手に口出しを行えなかったのだ。
だが、ライの場合はその逆である。
今回のチーム内で、ライの『発掘』に関する能力は下から数えたほうが確実に早いぐらいの能力しかない。
だが、それを理解している分、誰が何をできるのかを把握すると、適量の仕事を回し、それを参考に自身でもできる部分を探し、行い、少しずつ手を広げて行く。
その為、ライはユーノ程の知識や探索の能力がなくても、広い視野や全体を管理する能力が高い分、いつもより効率的に作業を行わせることができているのだ。
(あ、またタスクが増えた………………?どうして僕は彼がそこまで気になる?)
ライの作業に感心しながらも、ユーノは少し自分に疑問を感じていた。
なのはたちから話を聞いて興味を持ち、実際に会って彼女たちの言うとおり“すごい人”であることがわかってより気になっている。当初、ユーノはそう考える。だが、それに当てはまるような人物が他にもいることに気付き、そこまで彼が気になる理由にはならないと思う。
(それなら、ティアナやスバルももっと気になっているはずだしね)
色々と自問自答しながら、ライの事を知った最初から記憶をひっくり返し始めるユーノ。
だが、それでも今行っている作業効率が全く落ちていない彼は、ライに負けず劣らず優秀である証拠である。
丁寧に目の前の仕事をこなしながらも、ユーノの頭の中には『何故』と言う言葉が席巻する。
このままでは埒が明かないと思った彼は、考え方を変えた。
何故彼の事が気になっているのかではなく、どういった状況で彼の事が気になったのかを考える。
(えっと……あれ?)
頭の中で再び記憶を掘り返していく。
すると、該当すると思われる状況が絞り込めていくにつれ、ユーノの作業スピードが少しずつ落ちていく。
(まって…………まって、まって、まって!)
そしてとうとうフリーズするように作業も思考も止めてしまったユーノは、恐る恐るライの方を見ながら、脳内に“その時”の光景を思い出す。
(なのはが彼の事を喋っているとき………………僕は嫉妬している?彼に?じゃあ、なのはは?…………彼は?)
視線の先には先ほどと変わらずに、作業を続けるライの姿があった。しかし、それを見るユーノの瞳に現れているのは、敬意や感心と言った好意的なものでなく、どこか恐れを含んだものであった。
(怖
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