Vivid編
第五話〜今の日常と男の気持ち〜
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ライは、休憩班と作業班を分担し発掘作業を開始した。
取り敢えず、能率を上げるためにユーノが普段使用している作業用の術式を教えてもらい。蒼月とパラディンのシンクロシステムとチューニングシステムを起動させ、自身に最適化させながら、作業班の個人個人に仕事を振っていく。
幸い、疲れきっていたためか、いきなり陣頭指揮をとり始めたライに反発の声が上がることはなかった。
「作業項目の完了を確認、休憩に移ってください」
『古代ベルカ語の翻訳用のシステム構成完了。試運転を行いつつ修正は適宜』
『把握した書物のリスト作成。全体と棚ごと。それぞれタイトル順、発行年代順、ジャンル別で作成』
個人的になれている、キーボードの打ち込みを投影したものに行いながら、ライの頭と蒼月とパラディンはフル稼働であった。
ライのマルチタスクの使用枚数が一枚、また一枚と増える中、ライの事を観察している人物がいた。
(あれが、なのはたちが言っていた)
ユーノ・スクライアである。
彼の思った「あれ」というのが、作業方法のことか、それとも人物のことを指していたのかは、本人にしか分からなかった。だが、どちらもユーノにとっては気になる対象であることには違いない。
ユーノがライのことを知ったのは、機動六課の活動していた時期であった。
それは仕事の都合や、彼自身が調べていたわけではなく、教えてくれた人物がいたのだ。その人物は六課の隊長陣であるなのは、フェイト、はやての三人である。
この三人とユーノを含む四人は所謂幼馴染という間柄だ。その繋がりで、ユーノはライのことを聞かされていた。
(……確かにみんなが言うように“すごい人”だね)
自身の作業をしながらも、横目でライの方をあらためて窺いながらそんなことを思う。
当時ユーノは三人がよくするライという人物に少なからず興味を持っていた。そして、会話をする機会に三人にそれぞれ尋ねてみたのだ。
『ライって言う人は、みんなからしてどういう人なの?』
それぞれバラバラな時と場所で尋ねたところ、彼女たちは皆、最初少し悩むような仕草をした後にこう答えるのだ。
『一言で言えば、すごい』
最初これを聞いた時、ユーノはよく分からなかった。だが、それから数年後、直に本人を見た今、彼は彼女たちの言おうとしていた事を嫌でも理解することとなる。
「休憩が終了した女性と男性二人ずつで、全員分の軽食と飲み物を買って来てください。二回目の休憩を挟む時に少しでもお腹に何か入れておかないとキツイと思うので」
口頭で指示を出しながらも、作業を行っているタイピングの手の動きや、複数のモニターを行き来している視線の動きは止まらない。
それどころか、今の指示で抜けた人の担当するはずの作
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