Vivid編
第五話〜今の日常と男の気持ち〜
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の男性の目元が緩んだようにライには見えた。
「今日、君と行動を共にする発掘チームの指揮をとっている、司書のユーノ・スクライアです。よろしく」
そう言って手を差し出してくるユーノに、ライは握手を返した。
「お世話になります。ところで…………大丈夫ですか?」
「え?……あぁ、あはは」
ライの『大丈夫ですか?』という言葉にユーノは一瞬なんのことか理解出来なかったが、すぐに察した。なにせ、ユーノの率いる発掘チームの内の殆どが既に疲れきった顔をしているのだから。それにどこか、ユーノ本人の顔色も良いとは言えない感じである。
「ここしばらく、管理局からの資料請求が続いていて、纏まった睡眠時間を取れていなかったから」
苦笑いで返すユーノに、ライはどこか申し訳なくなる思いであった。
ライは今の時点で一般人だ。その為、どんなコネで入室許可を得たとしても司書資格を持っていなければ、それを持つ誰かと行動を共にしなければならないルールがあった。
だから、今回は未整理区画ということでライの要望に応えつつ、ついでに整理もしてしまおうという理由で、発掘チームが編成されたのだ。
「なんか……スイマセン」
「気にしなくてもいいよ……どうせ仕事は増えるしかないし」
どこか諦めたような顔をしているユーノの表情には光源のない影が指しているようにも見えた。
事情を把握したライはどうすべきかと思考を巡らせ、取り敢えず応急処置ぐらいにはなるかと思いながらも切り出した。
「今回、この未整理区画の整理……発掘は完了しなければなりませんか?」
「いや……そんなことはないけど」
「では、自分が今日申請した利用時間いっぱいは、貴方たちと行動を共にしなければなりませんよね?」
「うん」
「なら、ローテーションを組んで、休憩する班と活動する班で少しでも能率を上げましょう」
ライのその言葉に反応しなかった人間はこの場にはいなかった。
かくして、ライの『初めての無限書庫利用〜発掘チームのHPはレッドゾーン?!〜』が始まった。
まず、ライはこれまで彼らがどういった手法で発掘を行っていたのかを尋ねる。すると、意外なことに殆ど、ユーノのワンオペ作業だったらしい。
これは他の人員の能力が低いのではなく、ユーノの能力が他と比べて突出し過ぎているらしい。しかもどんな分野においても。逆に他の人員は能力に偏りがあるらしく、出来る作業とできない作業が大きく変わってくるらしい。
なので、これまではユーノが独自に動き、彼の手の付けていない部分を他の人が行うと言った事をしていたらしい。
「……チーム?」
そこまで聞いて、思わずライは疑問の声を漏らしていた。
取り敢えず、誰が何をできるのかを把握した
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