Vivid編
第五話〜今の日常と男の気持ち〜
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の声を洩らす。
「パパ、この名前」
「「あれ?」」
ヴィヴィオの言葉を聞き、フェイトといつの間にか復活していたなのはが名前が記載されている欄を見ると、そこには見覚えのない苗字が表示されていた。
『白月ライ』
『ランペルージ』でも『ブリタニア』でもなく、『白月』と書かれたその名前にライ以外の三人に聞き覚えがあるはずもなく、彼女たちは首を傾げる。
「それは母の旧姓だ」
三人の疑問に対して、手短な返答をしたライは朝食を食べることを再開する。だが、ライの過去をそれなりに知っているなのはとフェイトはともかく、ヴィヴィオはその手短な返答で満足できるような話題ではなかったらしい。
「へぇ!パパのママってどんな人なの?」
興味津々といった表情を隠すこともしないヴィヴィオに、なのはとフェイトが思わずその話を打ち切ろうと口を開こうとするが、それよりも先にライが口を開いた。
「綺麗な人だよ。あと、なのはやフェイトが幼い頃に住んでいた国と同じ国の出身」
「それって、地球の日本?士郎さんや桃子さんがいるところ?」
「うん」
そこまで話して、ライは朝食を完食した。自身の食器を重ね、台所の流し台に持っていく。そこまで食器の数は多くないので、手早くそれらを洗い食器を干すと、リビングを後にする為に口を開く。
「それじゃあ、僕はすぐに出るよ。晩御飯までには帰る」
あっさりと居なくなったので、その時三人は気付かなかった。ライの戸籍データの年齢の欄の数字が『十八』になっていた事に。
そしてそれが、年齢の感覚が狂っているライのうっかりミスであることにこの時は誰も気付くことはなかった。
これが今のライが手に入れた日常の一幕である。
管理局・無限書庫
受付に時間が掛かり、ライの望んだ区画に入れるようになるのはお昼前ぐらいなる。
たどり着いた書庫で担当官からそう言われたライは、昼食として軽食を取ると指定された時間に、目的地であるそこの前に立っていた。
「ベルカの未整理区画……ここか」
近未来的な廊下や扉の中で、逆に時代を感じさせられる石で作られているその大きな扉はライの目を引いた。
無重力空間の中、ライはその扉の前で入ることはもちろん扉を開けようともしていなかった。彼には待ち人がいるのだ。
「すみません!白月ライさんですか!」
少し離れたところから、複数人が団体でライの元に向かってくる。その団体の先頭にいる金色の髪に線の細い顔、そして少し大きめのメガネを掛けた男性が確認のための声を投げかけてきた。
「そうです。八神はやてさんからの紹介で」
初対面の相手であるため少し事務的なお堅い対応になったが、はやての名前を出した時に金髪
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