Vivid編
第五話〜今の日常と男の気持ち〜
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ルをそのままに、ライは扉の方に一歩動いた。だが、未だに濡れている腕に掛けるようしていたタオルは、今では長髪になったライの頭を拭いたあとのため、それなりに多めの水分を吸っている。
なので、一歩歩いた振動で、そのタオルが重力に従い腕からすり抜けるようにして脱衣所の床に落ちることも何ら不思議ではないのだ。
「――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
その日のご近所の目覚ましとなったのは、鶏や時計ではなく。管理局の誇るエースオブエースの絹を裂くような悲鳴であったとさマル。
高町家・リビング
早朝の珍事件から少しして、リビングで朝食をとり始めるのは、この家に住んでいるなのは、フェイト、ヴィヴィオと居候のライの四人である。いつもは賑やかな食事はしかし、今朝は少し静かな感じだ。
その原因として、なのははライの方を直視できないのか、朱が差している顔を隠すように俯き気味でもそもそと食事を取っており、それに対するようにライの方はいつもと変わらずに食事をしている。
事情を聞いたフェイトはそんな二人に苦笑い。一方、事情を知らないヴィヴィオは首を傾げるだけであった。
「そう言えば、今日ライはどこかに行くって聞いたけど、どこに行くの?」
空気を変えようと話を振ったのはフェイトであった。
質問をされた当人は咀嚼していた朝食を自身のカップに注がれている水を煽り、流し込むようにして飲み込むと口を開いた。
「戸籍云々の手続きとその受領が完了したから、今日は無限書庫に行くつもりだよ」
「書庫に?」
「うん。見たい資料がある」
無限書庫とは、管理局の創設以前から存在する文字通り全容が把握できないほどに広い書庫である。
現時点では、管理局がその管理を行っているため、そこを利用する為にキチンとした身分証明書が必要なのである。
そして特定の人物から許可さえ貰えば、一般解放区だけでなく未整理区画の利用も一応は許可されていた。
「ちょうど昨日、はやてから申請の許可が下りたって連絡が来たから」
「へぇー、そう言えば戸籍の写真ってどんな感じなの?」
ふと思いついたようにフェイトが尋ねてくる。
いつの時代、世界であってもこういった誰かの写真は気になるらしい。
「……蒼月」
ライは首にかけていた蒼月を取り出すと、名前を呼んだ。それまでの会話をキチンと聞いていたらしく、それだけで蒼月は空宙にライの身分証を投影した。
映し出されたライの顔写真は六課時代に撮影したもので、髪型が以前の短いものであった。
「おぉ〜……あれ?」
何故か感嘆の声を漏らしたヴィヴィオが何か気になったのか疑問
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