はて迷外伝 最強の剣と最強の盾4th
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タスを高める事はほぼ出来ない。どうやら彼の前の主神ナタクは相当に彼の事を嫌っていたらしい。主神にそんなことをされた彼が何をやらかしてきたのかも気になる所ではあるが。
トールは気にかかった。【ナタク・ファミリア】は一級冒険者も抱える大型ファミリアだ。辞めたとはいえ入団試験をクリアしたのなら相応の力があるのだろう。即戦力としてはいい人材かもしれない。だが、少し話しただけでも彼は前主神のナタクとかなり険悪な仲であったことが感じ取れる。
(素質は感じる……だが、素質に人格が附随しているとは限らない。アーサー、お前は本当にこの男を御することが出来ると判断したのか?それとも……)
もしかしたら、彼が前の主神と上手くいかなかったのは彼の方に大きな原因があるのかもしれない。ともすれば、彼はこのファミリアにとっても毒たりうる。
「トール様的にはオッケイみたいね!じゃ、夜までに荷物纏めてここまで引っ越してちょうだい!一応この店って2階にあと3,4人暮らせるくらいの部屋あるから!」
「へへっ、飲み屋がホームかよ!酒と飯が捗りそうだねぇ!」
「………酒?」
「え?」
アーサーが首を傾げる。ユーリも首を傾げる。
二人が何故首をかしげているのか分からずリベルも首を傾げた。
「ンだよ。俺が酒飲むのがそんなに意外か?」
「いや、君は酒を飲むには早いだろう。年齢的に」
「そーよ。子供は肝臓の機能が強くないからアルコールは後々の成長に影響を……」
「いや子供じゃねぇよ俺はっ!?何をパルゥム見た人が最初にやる勘違いしてんの!?」
「?」
「?」
お前こそ何を言っているんだ?と言わんばかりに首を傾げる二人に、事情を察したトールが声をかけた。
「あー、リベル。今、何歳だ?」
「ああッ!?何歳も何も今年で30歳だよ文句あんのかッ!!」
「はいダウト。あなた、私より背ぇ小っちゃいじゃない」
「うむ、どこからどうみても10歳前後の子供だ。酒は早い」
このいなかっぺ2人は全く理解できていないようだが――小人族はネバーランドの子供たち。子供に生まれ、子供のまま育ち、子供として老いていく。
ヒューマンしかいない田舎で育った二人は実感として全くそのような感覚はなかったのかもしれないが……基本的にオラリオにいる小人族は見た目と年齢が一致しないのが特徴であることを、トールは失念していた。
怒りにプルプル震えるリベルと、それを全く分かっていない若者二名。
これは今から諌めるのは無理だな――と悟ったトールは、静かに店のカウンターの影に大きな身を隠した。
「………だぁぁぁれが30歳になってもピーターパンだァッ!!ブッ飛ばしてやるからそこに直れクソガキどもぉぉぉぉーーーーーーッ!!」
「うおおおおおおおおおッ!?
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