はて迷外伝 最強の剣と最強の盾4th
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族は自分が気を許した相手にしか肌を触られることを許さない。異性に対しては尚更に過敏だ。
無論、青年は意識していたわけではない。むしろ深く考えずに『彼』を受け取ろうとしてアミィの方が迂闊にも触れてしまったようにさえ見える。
それでも、展開はいち早く事情を察した『彼』の思惑通りに進んでしまった。
「さ、触るな無礼者ぉぉぉぉーーーっ!!!」
べっちーん!!と派手な音を立てて、アミィのビンタが青年の頬に炸裂した。
= =
「………ということがあったそうだ。子供はそのあと泣きながら逃走し、エルフに無遠慮な事をした上に泣かせてしまった自分が許せないとかでずっと落ち込んでいる」
「い、意外と繊細な所あったんだ、ユーリ……」
カウンターに突っ伏したままピクリと動かないユーリを指さすトールの説明に、アーサーは頷く他なかった。割と鈍感で他人の眼を気にしない方だと思っていたが、現在の彼はダンジョンでの屈強な姿からは想像も出来ないほど陰気くさい。放っておいたらコケとか生えてきそうである。
先日の決定通り二人は朝からスカウトをして回っていたのだが、昼飯の為に帰ってきてみればユーリはご覧の有様だった。これでは午後は使えそうにない。
「にしても、喋るぬいぐるみねぇ……そんなファンシーかつファンタジーな代物、本当にあんの?」
「さぁな。呪いの人形といった噂の類なら聞いたことがあるが………ううむ、本人に会って見なければ確かな事は言えん。もしかしたらぬいぐるみのような魔物をテイムしていたのかもしれないしな」
「や、魔物は喋らんでしょう」
「いや……ごく少数だが、調教とは別に会話によるコミュニケーションの出来る魔物はいるぞ」
「なにそれ家来に欲しい……!」
『異端児』と呼ばれるそれの存在を知る者は少ないそうだ。理由は単純で、彼等が人間に見つからないように動き回っているからである。そのため、『異端児』については詳しく分かっていないという。
「『異端児』を仲間に、か。魔物を従える王になる気か?」
「王の前では生まれ育ちなど些細な事なのよ。要は私がそいつを気に入って、そいつも私が気に入るか!ここが重要なのっ!」
王と臣下の間には、確かな信頼関係が無ければならない。一方通行の信頼による誓いなど信じるに値しないものだ。逆を言えば、それさえあれば二つの意志は繋がることが出来る。相手が魔物だろうが人間だろうが、共通語が通じればどうとでも理解しあえる筈だ。
「ふふっ………その豪胆さは流石だなアーサー。だが、それを許すほど世間は甘くないかもしれんぞ?」
「関係ないわ。何故なら、剣王たる私がその存在を認めるのだもの。それ以上の説得が世界に必要あるかしら?答えは否よ!!」
「
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