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水の底から
こんなことが、あったような
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「また来ちゃったんだね」
と彼女はそう小さく呟いた。

彼女は『僕』に語った。
この『噴水』がある場所は全ての奔流が流れる場所。
誰も意識できずに流されるだけ。
いつの間にか無意識に通って、通り過ぎる。
通らずにはいられない。
意識することは許されない。
ただ、ただ、通り過ぎるだけ。
物質も、非物質も、魂も、時間も、なにもかも。

「君は中々繊細な心…いや違うか考え方?…まぁいいや。本質が内向的なのかな。そんなだからこんなところに『流れ着いちゃう』んだ。」

彼女はこんなところなんて言ってこの噴水がある場所を揶揄したが僕にはそんなに酷いところには思えない。

「酷いところだよ?何たってなにもない。全部が全部通り過ぎるだけだもの。」

それでも僕は悪くない場所だとは思う。僕がいた場所や紛争地帯とかよりもずっと。

「そんなこと考えてるからこんなところに流れ着いちゃうんだ。もっとポジティブにいこうよ。はっちゃけちゃおうぜ。」

まぁ、普通に無理だと思った。

「まったく、君は。」

呆れられたようだ。

「っと、そろそろ時間だ。次に会うことなんて無いようにボクは祈ってるよ。」

酷いな。
僕は、また会えることを祈ってるよ。

「そうだね。じゃあ次、もしもここに来れて、此処でのことを覚えていられていたのなら、もっとたくさんお話してあげるよ。」

それは頑張らなくちゃな。じゃあ次に会えた時の約束だ。もっと、もっとたくさん話そう。僕のことも君のこともたくさん語ろう」

「っ。そうだね。その時はきっと君も適合してしまっている筈だ。じゃあね。」

それを最後に僕の意識は現実に戻っていく。水中から水面へ。空想の世界から現実の世界へ。戻っていく。






「おい、おい!、起きろって。もう朝だぞ。」

そんな声で僕は目を覚ました。

「んぅ?んー。眠いー。」

「いやもう7時半だから。あと30分しかないから起きろよ。布団引っぺがすぞー。」

「酷い!そんな非人道的な事をするなんて君はなんて酷いんだ!人間じゃない!」

「むしろお前を起こそうと尽力してる分全然人道的だろうが、いいから起きろ!」

そんな事を言って僕の親友の悠斗は僕の親友の布団を僕から引き剥がした。布団にしっとかな?

「うー、わかったわかった起きるよー、多分、ってもう40分!?もっと早く起こしてよ!」

「知るか!いつもはお前が起こす側だろうに…昨日なんかあったのか?」

?昨日は特になにもなかった…。まぁ、少し変な夢は見たけど。

「変な夢見たかな、不思議で非現実的な変な場所にいた夢。女の子と話してた気がするけど、よく覚えてないや。」

「ふーん。まぁどうでもいいや。
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