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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第8話 彼の来た理由―後編
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ないほどに低い跳躍と、
至近距離
(
クロスレンジ
)
での戦闘で意識が外れやすい膝から下の部位だけで行われる高速移動、それこそがラディの瞬間移動術の秘密。
知ってしまえば奇術でもなんでもないただの体術。
だが、その技を身に着けるまでにいったいどれほどの試行錯誤を繰り返し、修練を積み上げたのか。
使われる技の一つ一つが体術の奥義と言っても過言ではないそれらを。寸分の齟齬もなく組み合わせ、魔法と誤解させるほどの体術に昇華させる――そこに至るまでの過程は、ただ理屈を知っただけのなのは達には想像も着かないほどに苛酷なものだっただろう。
しかし本当に恐るべきことは、苛酷な修練の果てに得たその妙技の数々ではない。
達人達が修練の果てに体得するそれらの妙技を得ているのが、僅か “14歳の少年” であるということだ。
「まったく、厄介な男を押し付けられたものだ」
茫然とするなのは達を余所に、シグナムは薄く笑った。
「来て早々自身をスパイだとのたまい、そのくせ協力的で、さらには優れた戦士であるときた。まったく、本当に厄介な男だ、ラディオン・メイフィルスという男は……ふふふ……」
微かに声を上げ、不気味に笑い始めるシグナムに、なのは達は顔を引き攣らせた。
ライトニング分隊副隊長、シグナム。その彼女の本性を知る人間は、一瞬で今の彼女の状態を見抜いていた。
あ、これスイッチ入っちゃってる。
シグナムの
本性
(
バトルマニア
)
を知る人間は言葉を交わすでもなく悟り、彼女から一歩引く。
自分の周りから人からいなくなったことくらい気づいているだろうに、シグナムは気にした様子もなく、愛機、レヴァンティンに手を掛けた。
「さて、いい加減見ているだけなのも飽きてきたころだ。私も続くとしよう」
爛々と眼を輝かせながら、シグナムは鞘からレヴァンティンを抜いた。
どうせこの
戦闘狂
(
バトルマニア
)
のことだ。こうも滾ってしまえばもう止めることはできないだろう。
その勢いに流されるように、はやてが苦笑を浮かべながらその横に並ぶ。
「――まぁ、このまま全部ラディ君一人に任せてしもうたら、うちらのメンツが丸潰れやしな。もっとも、半分以上ラディ君に任せてしもうた時点でメンツ潰れてるかもしれへんけどな〜」
溜息とともにこぼされる愚痴に後ろに並ぶなのは達は苦笑いを浮かべる。
はやての言うとおり、敵の半数は既にラディが墜としている。
あの実力なら、このまま一人で任せても問題なく無傷で全滅させることはできるだろう。
だが、それではこちらの気が済まない。
「ラディ君はうちらの要望に応えて、うちらが期待していた以上の実力を持っとることを見せてくれた。なら、今度はうちらが見せたる番や」
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