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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第8話 彼の来た理由―後編
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、特に膠着状態から間合いを詰める技術の高さは、ヴィータがかつて相手をした猛者揃いの騎士たちの中でも光るものがあった。
だがそれももう百年以上も前の話である。
今更それがラディとなんの関係があるとヴィータはシグナムを見上げる。
「あの男は静止状態から急激に加速し強襲するためにステップを踏んでいた。メイフィルスの場合はそれを、相手の死角に回り、奇襲するための位置を確保するためにしている――見ろ」
そこまで言ったシグナムが顎でラディの方を指した。
ヴィータが視線を戻した先にいたラディは、ちょうど陣形から外れた数体のスライムへと向け、走っている最中だった。
「ヤツの足元を見てみろ。見にくいが、足の下にずっと影がある」
「んなの――」
当たり前。そう言おうとしてヴィータは言葉を切った。
当たり前ではないのだ。
走っている以上、足の下にずっと影があるのはありえない。
なぜなら足が地面に着いた時には必ず影が消えるはずだからだ。
だがラディの足の下には、目を凝らさなければ分からないがうっすらとした影が消えることなくずっとあった。
だがそれ以前に――
「――あいつの足、まったく動いてなくないか」
唖然としたヴィータの言葉になのは達は息を飲む。
ラディの身体は前へと動いているにもかかわらず、その身体を前へと運んでいるはずの足はまったく動いていない。
動く歩道に乗っているような不可思議な動きに目を見開くなのは達を余所に、シグナムの説明は続く。
「本人に聞いてみるまで定かではないが、おそらくメイフィルスは、敵との距離を詰めるときに走らず跳躍している。足元に常に影があるのはそのためだろう。跳躍したなら足は地面に着かないからな。それに今まで気づけなかったのは、メイフィルスが地面の数センチ上を滑るように跳んでいたからだろう――並みの騎士では、到底真似することすらできん芸当だ」
そこでシグナムは説明を止めた。
跳躍するということは足が常に地面から離れているということだ。
その状態なら、どのタイミングでもすぐに足を降ろし、地面を蹴って方向を変えたり加速したりすることができる。
走っていれば足が浮いてしまって対応できないような場合でも、常に足の高さが一定で、足を動かさずに移動できるこの技なら対応できる。
恐らく、最初のスライム達の予期せぬ攻撃に対処できたのはこの技があったからだろう。
武術ではいかなる状況にも素早く対応できるよう、踵を浮かせずに動く『摺り足』を基本とするが、ラディはその『摺り足』を地面の数p上を跳躍とする方法で再現し、その状況対応能力に速さを乗せてみせたのだ。
まさしく “妙技” と呼んで差し支えない歩法だ。
だが――結局、それだけなの
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