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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第8話 彼の来た理由―後編
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の全身から弾けるように触手が飛び出した。
一体につき4、5本。先頭の個体すべてを合わせれば50近く。その触手すべてがラディへと殺到する。
防御するには体勢が悪く、回避しようにもすでにラディは跳んでいる。
完全な直撃コース。ラディが前に飛び出すその瞬間を狙い澄ました攻撃。
目の前を覆い尽くす殺意を持った触手を前に、しかしそれでも、その横顔は――笑っていた。
気でも触れたか。眼前を覆う敵の
攻撃
(
さつい
)
を前にしてなお笑うラディに、なのは達は戦慄する。
だが彼の浮かべた笑みは、狂気からくるものではなかった。
自信。
自らへの揺るぐことのない信頼から生まれた笑み。
あたかもこの状況は自分が望んで引き起こしたのだと言わんばかりの傲慢さを滲ませて、ラディは得物を握る手に力を籠め、“浮いていたはずの足”で地面を蹴った。
そして再び、ラディオン・メイフィルスは姿を消した。
消滅。
そうとしか言いようがないほどにラディは忽然と消え、放たれた触手はラディがいたはずの虚空を空しく貫く。
突如として消えた敵に、そんな感情があるのか分からないが混乱したように前衛のスライム達の動きが止まる。
そんなスライム達を嘲笑うかのように、彼らの真後ろにラディが姿を現す。
そして、一閃。
振るわれた横なぎの一撃は規格外のセラフィムの重さを乗せ、周囲を薙ぎ払う。
刃に当たったものはその衝撃に原型を留めないほどに散り散りに裂かれ、その余波を喰らってものでさえ身体を無残に引き裂かれる。
たったの一撃。しかしその一撃で、前衛を務めたスライム達は消え去り、陣形に穴が開いた。
そこから先は、一方的な虐殺だった。
振るった槍の勢いそのままに、腕を、腰を、足を回し、スライムの群れの中を駆け薙いでいく。
その様はまさしく暴風。
ラディが駆け槍を一度薙ぐたびに、スライム達は引き裂かれ、両断され、そして開いた穴がさらに広がりスライムの群れを崩していく。
だがスライム達も決して、やられてばかりではなかった。
仲間を盾に時間を稼ぎ、身体を震わせ無数の触手をラディへと伸ばす。
ラディの動きに踊らされ、槍撃に切断され、引きちぎられながらもそれを上回るほどの触手を出し、ラディへと伸ばす。
しかしどれほど触手を伸ばそうと、どれほど空間を埋め尽くそうと、ラディを捉えることはおろか、槍の動きを狭めることすらできなかった。
彼らの触手がラディに届きそうになるたびに、ラディの姿が幻かなにかのように消え、まったく別の場所に現れるからだ。
彼らの陣形に穴があったわけでも、攻撃が甘かったわけでもない。
それは上から全体を見下ろすなのは達が一番よく分かっている。
だがラディはまるでス
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