第九十七話
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ないだろう、という意図を込めていた質問だったため、当たり前のように返されて多少虚を突かれてしまう。
「どうした?」
「いや……意外だな。お前がアイドルに詳しいって」
「アイドル……? ああ、アイドルもやってるんだったな。ルクスから聞いたよ」
困惑しているこちらを、さらに困惑させるキリトの言動。その当の本人は、何かを探すようにシステムメニューを弄くっていた。二人きりでクエストに行ったからか、ルクスと最低限会話は出来るようになったらしいが、それはともかくとして。
「あったあった。ほら」
そう言いながらキリトが見せてきたネットの記事には、先程会ったセブンと瓜二つの人物が載っていた。現実世界の彼女のことだろうが、その記事はアイドルが載っているような記事ではなく。
「七色・アルシャービン。ロシアでVRの研究をして、今は日本に来日してる……アイドルとして」
その記事に書いてあったことは、大体キリトが言った通りのことで。自分たちがSAOに囚われた時よりも低い年齢であるにもかかわらず、世界的なVR空間の研究者――そして天才少女としてアイドルじみた活動をしているという。そういうキャラやお飾りという訳ではなく、キリトの態度からも『本物の』VR研究者なのだろう。
「その年でVR研究者って点で言えば、茅場や……須郷よりも天才かもしれないな。事実、茅場を『闇』で七色を『光』って揶揄してる同業者もいる」
学校で工学を学んでいるキリトから、忌憚なき意見が放たれる。自分たちにとってVR研究者と問われれば、思い出したくもないがその二人だ。あの二人より上の存在だとすれば、天才などと呼ばれても頷ける。
「闇、光、か……」
「それより、大事な話があるんだが――」
そしてキリトの口から《エクスキャリバー》が発見された、ということが語られた。誰かに取られる前に自分たちで取りに行きたい、とも。
リーダーのユウキを始めとした、一騎当千の謎多きギルド、スリーピング・ナイツ。足にかの《笑う棺桶》のマークをつけていたルクス。茅場以上の天才と言われるVR世界の『光』セブン。突如として自分たちの前に現れた、怪しい行動を繰り返す二刀の剣士レイン。彼ら、彼女らとの出会いとこのキャリバー入手クエストで、俺たちのALOは加速していく――
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