第九十七話
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いことの確認だった。彼女のおかげで悩みが解決する、ということは……
「ソードスキルが使えるようになるのか?」
「バカ、そっちじゃないわよ。属性の方よ属性」
「ああ」
そっちか……と相槌を打つ。ソードスキルに付与することが出来る、という属性。それは先のユウキとのデュエルでも効果を発揮し――もちろん、俺がしてやられる側だったが――個人的にも、活用法はありそうだと考える。もちろんソードスキルが使えない自分には、そもそも関係のない話だったのだが。
「そ、れ、が。レインの鍛冶スキルを応用すれば、何とかなりそうなのよ!」
「あ、ははは……変なスキル振りしちゃっただけ、なんだけどね……助けてくれたお礼もしたいし」
――明日にでもスキル振りし直すつもりだった、とは苦笑いをしていたレインの弁。何にせよそのスキル振りが、リズの手によって有効活用される……らしく。もちろんその作業はここではなく、リズベット武具店に行かなければならないが。
「ユウキはどうする?」
「えーっと……ごめん。これからスリーピング・ナイツのみんなと用事があるんだ。本当にごめんね!」
元々の仲間であるスリーピング・ナイツたちと用があるとして、本当に申しわけなさそうに謝るユウキに、リズは気にするなとばかりに手を振るう。
「いいのよ、そんな気にしないで。どうせ鍛冶の話になるしねぇ」
「じゃあ俺も」
先程の鍛冶の話についていけなかった俺は、さらにそれ以上の話になると予想して逃げだそうとした。
「当事者兼助手が何言ってんの。とりあえず、街まで戻りましょ? ほら、ユウキにレインも」
「う、うん、ユウキちゃんにはお礼はまた今度」
しかし回り込まれてしまった。いや、最初から逃げる気はなかったが。リズはユウキに続いて、少しユウキの明るさに呆気にとられていたような、そんな雰囲気のレインにも声をかけると、街――イグドラシル・シティに向かって翼を展開する。
「よし! レイン、ボクと街まで競争しよ!」
「えっ、ちょっ……」
そういうや否や、すぐさまユウキはイグドラシル・シティへと飛翔していく。それを「待ちなさいよー!」と叫んで追いすがるリズを見ながら、俺はボーッと立ったままのレインへと話しかける。
「どうした?」
「いや……何か、楽しそうだなぁって。うん、レインちゃんも負けないよー!」
驚いていた顔から楽しげな顔に変わり、レインも翼を展開してユウキにリズを追う。何か考え事をしていたようだけれど、ユウキの明るさにほだされたらしく……少し哀しげだった表情が和らいだ。ユウキのそういう明るさに感嘆しながら、俺もレプラコーンの翼を解放するとともに、地上を蹴って空中へと飛翔していく。
――も
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ