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逆さの砂時計
Side Story
無限不調和なカンタータ 4
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だけど!
 「楽しそうだな」
 楽しそうにしてて良いのかと、全力でツッコミを入れたい。
 「楽師を目指した理由が、故郷に娯楽を……らしいから。あいつの方向性としてはブレちゃいないんでしょうね」
 ただ、時と場面は選べ。
 にっこにこと本当に……さっき見せた真剣な表情は何処へ消えたッ!
 「……あの子もそうだった。ただ皆で一緒に笑っていたくて、地上へ降りて。なのに、神々は言い分も聴かず、ならぬならぬの一点張りで。しまいには親友の私に、無理矢理あの子を殺させた……ッ!」
 カールを見上げる目に憎しみが宿る。
 零れ落ちた涙と言葉で察するにコイツ、元は堕天使を殺す神々の使者か。
 「赦さぬ……仲間を殺して何が秩序か! 美しい音など、滅び絶えれば良いのだ!」
 女神の周りに歪んだ風が集まる。
 ああもう、厄介な……
 「でもー、滅ぼしちゃったらその親友さん、悲しむと思うんだけどー」
 死んだ奴に悲しみも喜びもあるもんかーッ! 火に油を注ぐなぁ!
 「お前にあの子の何が解るか!」
 「解らないよー。でも今、君の中の親友さんは笑ってるー?」
 はぁ? なにを……って……

 ……風が、止まった……?


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