Side Story
無限不調和なカンタータ 4
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「つーか、グチャグチャすぎ! 音以前に、生物の外形としてどうなのよ、それぇっ!?」
醜い、醜い、醜い、醜い!
悪魔の感覚じゃ、視界混入・即・滅殺対象よ!?
要するに、コイツの正体は『神』なんでしょうけど!
嫌よ、私!
こんな醜悪な肉塊が!
創世期からずーっと私達を脅かし続けてる天敵の一員だなんて!
仮にも悪魔の敵なら!!
美しい容姿と、それに相応しい気位の高さを要求する!!
「せめて手足くらいは整えて出直しなさい! 不味そうな肉団子と戦っても全然楽しくないのよ!」
「うるさい! 喋るな歌うな黙れ人間と悪魔ぁ! 消えろキエロキエロ! 美しい音は例外なくすべて消えてしまえぇええーっ!」
カールの『波』に堪え切れなくなったのか。
顎を外す勢いでガバッと口を開き、私に向けて不快な振動を飛ばす。
「やかましいのはそっちのほうでしょうが! この、神の出来損ないめ!」
あえて乱された『波』を回避するには?
同じ波長を返して打ち消すか、上回る物量で壁を作る。しかない。
で。こんな汚い音と同調するなんて、死んでもお断りだから。
私が取るべき行動は一つ。
『波』に含まれた害を、私の耳が受容し切る前に、声を張り上げる!
「! ゃめ……やめろ! やめろぉおおォ──ッ!!」
森中に拡がる、清浄な二つの『波』。
醜い肉塊が両耳を押さえて悶え、仰け反る。
私の『調音』で増幅させた、カールの『調律』。
狂った身体には、よぉく効くでしょう?
カールが歌ってから現れたところを見ると、もしかして私には使えないと思ってたのかしら?
残念。カールの『調律』ほど強烈な効果がないのは認めるけどね。
私は、自分でやるのがすこぶる面倒くさいってだけなの。
アンタの音、きっちり元に戻してあげる。
料理はそれからよ!
「いやだ! 美しい音は嫌だぁああああ!!」
ぐわんぐわんと、反発する振動を連発させても無駄。
カールの『調律』は、大気の揺らぎをも整える力よ?
歪みなんかは、うってつけの獲物だわ。
ほら。
アンタの本当の姿が、少しずつ輪郭を取り戻してる。
良いじゃない。
元はちゃんと白かったのね、翼。
薄く桃色が混じる白金色の髪なんて、滅多にない美しさよ。
鮮血の赤が似合う白い肌も、瑞々しい果実のようで柔らかそう。
人間の年齢に例えるなら二十代前半の若々しい女の身体、幼さを残す顔。
白銀の雪を思わせる目は、冷たい色のわりに可愛い部類の丸型ね。
肉団子にしておくのは勿体ない、深みを感じる鈴の音みたいな声も素敵。
「いやだ……戻りたくない! 神なんかに戻りたくない!!」
「! 危な……!?
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