6部分:第六章
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第六章
「それでかなり恨みに思っていたらしいよ」
「そういえば」
茶髪の子供も言う。
「被害者の人は額を斧で割られてるね」
「うん」
「確かにね」
「しかもいつも斧とか使っていたら力もかなりつくし」
茶髪の子供は今度はそのことを指摘した。
「そうだろ?だったら」
「やっぱりその人?」
「そうなる?」
「いや、決め付けはよくないよ」
青い目の子供がここで制止した。
「怪しいけれどそれでもね。それで決め付けたら駄目だよ」
「じゃあ決め手は何?」
「何になるのかな」
「証拠を押さえよう」
青い目の子供はこう仲間達に話した。
「証拠をね」
「よし、それじゃあ」
黒髪の子供が言った。ここでだ。
「ここはね」
「ここは?」
「どうするの?」
「その大工さんの家に行こう」
こう提案するのだった。
「それでその周り、一番いいのはアパートのゴミ箱だね」
「そこだね」
「そこなんだ」
「そこを調べるの」
「そう、細かいところまで調べよう」
仲間達に話す。
「それでいいよね」
「よし、それじゃあ」
「そうしようか」
こうしてだ。全員でその大工のアパートのところに向かった。そしてすぐにゴミ箱をゴミを全部出してそのゴミも中身も隅から隅まで探した。そうしてだった。
「あっ、これって」
「そうだよ、これだよ」
「間違いないよ」
皆で見つけた。何と斧や鋸の刃に柄の部分がばらばらになって存在していた。あえて割られた様な痕跡がそこには確かにあった。
しかもだ。その鋸にも斧にもだ。血痕まであった。それで充分だった。
それを警察に出してだった。事件は終わった。証拠まで見つけられては犯人も認めるしかなかった。子供達の予想通り犯人はその大工だったのだ。
「娼婦に金を貢いで捨てられてねえ」
「それを恨みに思っての反抗だったのか」
「何かよくある話だね」
実際にこうした話は何時の時代の何処にもある。
「切り裂きジャックとは全然違うね」
「全く」
「あれは訳がわからなかったけれどな」
切り裂きジャックが謎とされているのはその動機がはっきりしないこともその一つである。とにかく何もかもが謎とされているのだ。
そしてだ。労働者達は新聞を見ながらだ。また話した。
「しかしよく犯人を見つけたよな」
「全くだ」
「こんなのどうやったんだ?」
「子供ばっかりなのにな」
「そうだよ」
こう話すのだった。今度はその話だった。
そのうえでその新聞を配る子供達を見てだ。彼等に問うた。
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