第六話
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その方がよさそうですね」
「僕も、そう思います。」
二人は納得した表情で呟く。とはいえ、マンションの柵のお蔭で<奴ら>の侵入が防げるとはいえ、まだまだ安心できないな。長い夜になりそうだ。
ーーー。
あれからみんなは就寝した。色々とあって疲れが出たんだろうな。まあ、俺は一応、監視の事もあってまだ起きている。ベランダの外でデスバレットの購入システムで購入したウイスキーを飲みながらである。デスバレットで購入した酒は、VR技術で味が再現されて何杯も飲むと、『酔い』というバットステータスがかかって移動制限がかかる。
特にステータス恩地があるアイテムではないが、経済事情で高い酒を買えないプレイヤーが好んで購入して馬鹿みたいに飲むプレイヤーが多く。以外にも酒は人気商品であった。
この世界に来ても味は最高であり、俺は寮に住んでいる間でも先生達に見つからないように飲んだものだ。
「とはいえ。夜景の眺めが最高ならもっと美味いんだろうけどな」
下の状況が<奴ら>だらけじゃ、夜景の光景も台無しと言ってもいいよな。
そのとき、部屋から足音が聞こえて、俺は近くにあったTAR21に手をかけて安全装置を解除した。
「なんだ。お前らか」
「先輩……」
足音の正体は卓造とナオミであった。紫藤のマイクロバスから俺達についてきた物好きなカップルだ。
「眠れないのか?」
「い、いえ。そういうわけでは……」
「だったら明日に備えて寝たほうがいいぜ。今日のように安心して眠れる環境が明日もあるとは限らないからな」
「そ、その……」
どうやら何か深刻に悩んでいるそうだな二人は……
「すいません。先輩たちは明日は車で外に向かうなら、俺とナオミは、この部屋に残ります!」
そして隣にいるナオミも同じように頷いた。まあ、いつかは誰かはこうなると思っていた。何しろ今日だけで、この死体が動いて人間を食らい、食われた人間も死体もどきの仲間入り。それが世界中で起きており、こんな非日常で明確に目的をもって外で行動しようとする者もいるが、今回のように部屋に籠って安全を確保したいと思う輩も現れる。
そう目先に安全な場所があるなら、ここでじっとするという考えにいたる奴らは沢山いる。外にいる連中を見捨てて自分の命を確保しようとする光景は、嫌というほどベランダから見たからな。
「いいのか?自衛隊や警察が助けがくる保証はないぜ」
「それでも。俺もナオミも、小室達のように動けない。あの時は紫藤達に洗脳される事を恐れて、小室達について行きましたが、でも……俺とナオミに小室達のように割り切る事が出来ない」
紫藤の異常性には気がついて俺達について来たのはいいが、外に出れば<奴ら>以外に人間も相手にしな
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