2部分:第二章
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第二章
「わかったね。それじゃあね」
「よし、それじゃあな」
「買わせてもらうぜ」
「早速な」
こうしてだった。労働者達はその号外を買った。そこには確かに謎の殺人鬼の話が一面にでかでかと載っていた。その号外はかなり売れた。
そしてそれを売った子供達はだ。仕事を終えてそのうえでだ。道端に集まってそのうえでパンと水を食べながら話すのだった。
ロンドンの裏通りにはコックニーが飛び交う。石畳の路は左右に小石が転がりそこを鼠や猫が歩き回っている。時折野良犬も見える。お世辞にも奇麗とは言えないその路の端に座ってだ。そうして話すのだった。
「今日も売れたね」
「そうだね」
「それはよしだね」
こう言って笑顔で話をする。固いパンを水で流し込みながら。
そうしてだ。ここで茶色の髪の子供が言った。
「それにしても誰なんだろうね」
「誰って?」
「誰がって?」
「だからさ。今度の切り裂きジャックだよ」
それが誰かというのであった。
「ベーカー街のジャックね」
「ええと、殺した道具は鋸に斧かあ」
「それでバラバラに切り裂いた」
「随分残酷な奴だね」
「しかもだよ」
茶色の髪の子供はさらに話した。
「まずは首を絞めて殺してるっていうし」
「あのジャックとは全然違うね」
「そうだね」
「あいつはメスだったしね」
「ベーカー街にいて首を絞めて殺してそれで鋸と斧でバラバラにした」
わかるのはこのことだった。
「さて、一体誰かな」
「何かさ」
青い目の子供がパンをかじりながら言ってきた。
「それって限られてない?」
「限られる?」
「そうかな」
「うん、限られるよ」
こう仲間達に話すのだった。
「それってね」
「具体的に誰?」
「どういった奴だっていうの?」
「それはわからないよ。たださ」
青い目の子供はさらに話す。
「手掛かりはあるよ」
「そうだね」
黒髪の子供が頷いた。
「鋸に斧」
「それにベーカー街」
「これだよね」
「うん、首を絞めるのはよくあるから」
黒髪の子供はそれはとりあえず置いていた。
「問題はその場所と道具だよ」
「鋸に斧ねえ」
「どういった仕事の人が持つかな」
「一体」
「他に手掛かりない?」
今度は緑の目の子供が言った。
「他には」
「ええと、両手で首を絞めた?」
赤髪の子供の言葉だ。
「そうあるね、後ろからね」
「後ろからね」
「それでなんだ」
「それで被害者の女の人は」
赤髪の子供の言葉が続く。
「若くてブロンドの美人」
「仕事は娼婦」
「夜に歩いている時に襲われた」
こう話されていく。
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