第1章:平穏にさよなら
閑話1「とある休日」
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みにこれらは女装を想定しており、ベルトとナイフはレアスキルの創造で作ってある。
...一体、なぜそんな事を想定していたのだろうか。
「助かった...のか?」
「店員さんがやっつけたの...?」
周りの客からちらほらとそんな声が漏れる。そして....
「「「「「おおおおおおおーーっ!!」」」」」
歓声が上がる。強盗が入ってきたのを店員が撃退したのだから、当然かもしれない。
「(あちゃー...こりゃ、完全に営業に戻れそうにないなぁ...。)」
強盗が入った時点でその日は営業に戻れる訳がないのだが、優輝はそんな事を暢気に考えていた。一応、誰かの命を失う危険があったのは承知しているため、現実逃避的な事を含めてそう思っただけなのだが。
「(まぁ、巻き込まれたら徹底的にやる性分だし、仕方ないかな。)」
そう結論付け、入ってきた警察の事情聴取を受けに行った。
「...色々あったなぁ...。」
夕暮れの帰り道、司は一人でそう呟いた。
「優輝君の女装とか、強盗とか...あれ、休日ってなんだっけ...?」
あまりにも多くの事があったため、司にとって休日という感覚ではなくなっていたようだ。
「...それにしても、優輝君...。」
思い起こすのは、女装していた優輝の雰囲気や声、仕草。
「そっくりだったなぁ....。」
司は、そのどれもに見覚えがあった。
「....ふふっ。」
かつての...そう、前世の事を思いだして司は笑った。
あの頃は、まだ楽しかった....と。
「....さーて、明日も休日だから、明日こそちゃんと休もう。」
軽く伸びをしながら、司はそう言った。
―――どこか憂いを帯びた眼差しで、夕日を眺めながら....。
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