第1章:平穏にさよなら
閑話1「とある休日」
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「....あれ?」
そこでふと、司はある事に気付く。
「優輝君はいないの?」
そう、いつも緋雪と一緒にいるはずの優輝がいないのだ。
椿と葵もいるのに、優輝だけいないのに疑問に思う司。
「あー、えっと、お兄ちゃんはね...。」
「この店の手伝いをしているわ。...始めてこの店に連れてこられたかと思ったら、当の本人は手伝いに回るんだもの...のんびりできても、優輝がいないと...。」
「あ、そうなんだ。」
店のバイト...というか、年齢的にお手伝いをしていていない事に納得する司。
ちなみに椿の後半の言葉は聞き流したようだ。
「それにしてもお手伝いって事は裏方?ざっと見たけど接客はしてなさそうだし...。」
そう言いながら店内を見渡す司に、緋雪達は少し笑いを堪える。
「ど、どうしたの?」
「いやいや...ちょっとね...。」
とりあえず、注文しようと司は適当にメニューを選び、店員を呼ぶ。
偶然なのか、先程の店員が来た。
「ご注文をお伺いします。」
「えっと、ミートスパゲッティと、アイスティーを。アイスティーはミルクと砂糖をお願いします。」
「はい。ミートスパゲッティと、アイスティーですね。以上でよろしいでしょうか?」
「はい。」
「では、しばらくお待ちください。」
慣れたような手際で司の注文を承った店員。
それを見て、やはり司は首を傾げる。
「(...どこかで会った事あるのかなぁ...?)」
会った覚えはないのに、既視感がある。その事に司はもやもやしていた。
「っ....!っ...!」
「....あの、なんでそんな笑いを堪えてるの?」
「だって...だって....!」
さっきよりも笑いそうになっている緋雪にさすがの司も少し苛立った。
「お兄ちゃん...どうしてあんな....ぷっ、ふふ...!」
「.....えっ.....?」
つい漏らした緋雪の呟きに、司はさっきの違和感が解消されると共に言葉を失った。
「まさか....今のが優輝君...?」
「そ、そうだよ...。」
信じられないのか、そのまま固まってしまう司。
「(そ、そういえば、前世で....!)」
司はそこで前世のある出来事を思い出す。
かつて通っていた高校で、一人のクラスメイトが文化祭で女装させられ、異様に似合っていた事を...。
「(...だとしたら、既視感があるのも納得...かな?)」
そのクラスメイトと優輝は似ているため、納得しかけた。
ただ、まだ信じられなかったが。
少しして、先程の店員が料理を持
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