第1章:平穏にさよなら
閑話1「とある休日」
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.あ、心が読める人がいるっていうのは秘密ね?」
「分かってます。」
司が知っているだけでも魔導師、人外レベルな剣士、吸血鬼、退魔士、式姫、神様と超人揃いだ。...普通の方が少ない。
「...でも、秘密にするのはいいんだけど、あの時...確か、薔薇姫さんだっけ...?」
「あ....。」
「彼女が死んでしまったのが、どうしても心に残ってて...。」
司は那美が薔薇姫は生きている事を知らない事に気付く。
「えっと...実は...。」
とりあえず、説明する事にした。
「...良かったぁ...死んでなかったんだ...。」
「...厳密には一度死んだようなものらしいですけど...まぁ、本人たちが良ければいいですよね。」
一通り説明し、那美はホッとする。
「では、そろそろ行きますね。」
「うん。またね。」
「はい。」
そう言って司は八束神社を後にする。
「(...尤も、行き先はないからどこへ行こうか...。)」
散歩と言ってもルートを決めていないため、無計画だ。
結局、放浪するように散歩をすることになった。
「....因果の如くここに来ちゃうなぁ...。」
しばらく散歩し続け、そろそろ疲れてきた頃、司はある店に辿り着く。
「喫茶翠屋...お母さんからもし外で食べる場合のためのお金も貰ってるし、ここでお昼も済ませちゃおうかな。」
海鳴市でも有名な翠屋に司はよく寄っているのでついついここに来てしまったのだろう。
だが、ちょうどいいのも事実。そのまま司は店内へ入る。
「いらっしゃいませー。」
「...あれ?」
店に入り、出迎えた店員を見て司は首を傾げる。
自分と同い年くらいの、長めの黒髪と綺麗な黒目の可愛らしい店員。
普通なら“こんな同い年の子がどうして翠屋の店員を?”程度の疑問なはずだが、司はどこか既視感を感じたので首を傾げていた。
「お一人様ですか?」
「あ、はい。」
「では、こちらにどうぞ。」
綺麗な声に促されるまま、空いている席に案内される。
「...あれ?司さん?」
「あ、緋雪ちゃん。」
案内された席の隣には、緋雪が座っていた。
他にも椿と葵が座っていた。
「かやのひめちゃんと薔薇姫さんも?」
「あ、今はもう草野姫椿という名前よ。椿の方で呼んで頂戴。」
「名前、変えたんだよね。君が司?あたしは薔薇姫。今は薔薇姫葵って名乗ってるよ。葵って呼んでね?」
「そ、そうなんですか。」
名前が変わっている事と、一応初対面の葵にどもりつつも返事をする司。
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