アインクラッド編
平穏な日々
紅色の策略 03
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ヒースクリフを打倒する術はないのだ。 キリトが劣っているわけではない。 むしろ、単純な戦闘能力で言えば、キリトに分があるだろう。
けれど、それでもヒースクリフは負けない。 絶対に。
何故なら、ヒースクリフが思い描いているだろう思惑を全うするには、彼自身が最強であり続けなければならないのだから。 だから負けない。 どんな手を使ってでも勝つ。 それが彼自身の主義に反していようとも躊躇わない。
僕たちの眼前で繰り広げられているデュエルは長期戦の様相を呈している。
手数で押す二刀流。 あらゆる攻撃を盾で捌く神聖剣。
攻め立てているのはキリトだけど、攻撃と攻撃の僅かな隙をヒースクリフは逃さない。 どうしても捌ききれない削りダメージによって少しずつ減っていく互いのHP。 やがて、両者のHPが半分を切ろうとした瞬間……。
世界は時の歩みを止めた。
キリトが繰り出した16連撃にも及ぶ必殺のソードスキル。 上下左右からヒースクリフを食い千切らんと殺到する剣戟に対応しきれず、最後の一撃を彼はその身で受けるはずだった。
しかし、間に合うはずのない位置まで振らされた十字盾は本来であれば絶対に不可能な速度で動き、キリトの一撃を弾いて見せた。
直後に訪れる技後硬直に囚われたキリトの身を、ヒースクリフの無慈悲かつ最低限の攻撃が襲う。 的確な一撃はキリトのHPを半分以下まで落とし、そして勝敗は決した。
盛り上がる観客の声を聞きながら、僕は深いため息を吐いていた。
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