アインクラッド編
平穏な日々
紅色の策略 03
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秀な部下を2人も手に入れることができる。 礼を言おう、キリト君」
感情の抑制されたヒースクリフの鉄面皮の奥に、キリトは明らかな歓喜を見た。
自分が負ければ血盟騎士団に入る。
それは別に構わない。 嫌ではあるが、それは自分の言葉の責任だ。 フォラスにも言われたように挑発に乗った自分が馬鹿だっただけ。
しかし、フォラスは違う。
フォラスまで巻き込むのは、いくら何でも許されない。
ギリッと歯を鳴らしたキリトは、おもむろにメニューを開く。
使うつもりはなかったスキル。 フォラスが軍の一団やクラインたちを脅してまで秘密にしてくれた奥の手。
だが、負けられない戦いを前にして、それを隠しているわけにはいかなかった。
軽やかな音と共に背に加わった新たな重み。
リズベットが鍛えてくれたもう一振りの相棒と、元々装備していた相棒を同時に抜き放つ。
《エリュシデータ》と《ダークリパルサー》
漆黒と純白の二刀を携えたキリトは、カウントダウンがゼロになった瞬間、ヒースクリフに向けて駆けていた。
「もしも団長と戦うとなったら、フォラスさんならどうしますか?」
「んー……圏外で闇討ちが現実的かな」
「その冗談は全く笑えません」
「じゃあ、パーティーを組んでおいて後ろから、とか? 麻痺毒を使えば更に成功率は上がると思うよ」
「ですから、それも笑えない冗談です」
僕の軽口をバッサリ切り捨てたアスナさんは、視線をキリトに固定したままため息を吐く。
ちなみにアマリは僕の太ももに頭を乗せて、控え室のベンチに横たわっている。 いわゆる膝枕だ。
「まあ、真剣に答えるとするなら、正々堂々、正面から不意打ちするよ。 心渡りはそのための技だからね」
「あなたなら団長に勝てると?」
「初撃決着で、なおかつ周囲に誰もいない状況ならね。 今の状況だと僕は勝てないかな」
「なぜですか?」
「さあ、どうしてだろうね」
「……これ以上の詮索は無駄だと言うことですか」
わざとらしく息を吐いたところで、キリトとヒースクリフとの間にカウントダウンが表示される。
この勝負の先は見えている。 キリトは負け、血盟騎士団に入ることは確定だ。
キリトに限って言えばそれは自業自得なのでどうだっていいけど、それが与える影響を考慮していないのはいただけない。 主にサチ姉に対するフォロー不足的な意味合いで。
「ところでフォラスさん。 先ほどのかたですが……」
「ああ、うん。 サチ姉のこと?」
「ええ。 あの人がキリトくんの、その、彼女さん、ですか?」
「まあアスナさんなら気付くよね」
げんなりとし
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