3部分:第三章
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第三章
「それじゃあね」
「ええ、それじゃあね」
「行くよ、今から」
僕は一人で行くつもりだった。練習するならだった。
けれどここでだ。彼女も意を決した顔になって僕に言ってきた。
「待って」
「待ってって?」
「私も行くから」
こう僕に言ってきたのだった。
「それで演奏聴かせて」
「僕の演奏をだね」
「ええ。それでアドバイスしたいから」
それでだというのだった。彼女は。
「そうしたらいい部分とか悪い部分とかわかるじゃない」
「確かにね。その通りだね」
「だからね」
それでだというのだった。彼女は。
「一緒にね。いさせて」
「うん、わかったよ」
僕は彼女のその言葉に頷いた。
「それじゃあ。一緒にね」
「ええ、部室にね」
「サックスは」
「そのままよ」
僕が置いていったそのままにしているという。
「だから」
「部室に行けば」
「何時でも演奏できるわ」
笑顔で僕に言ってきた。
「それじゃあね」
「うん、それじゃあ」
こうしてだった。僕達は部室に向かった。
それで一旦演奏してみる。彼女はじっと聴いていた。
聴き終わるとだった。彼女はすぐに僕にアドバイスしてくれた。
「そうね。大体いいけれど」
「いいんだ」
「ただ。悪いところがあるから」
「そこは何処かな」
「そこはね」
細かく指摘してくれた。それをなおすとだった。
まるで違っていた。あらためて演奏してみると。
それに驚いているとだ。彼女は満面の笑顔で僕に言ってくれた。
「よくなったわね」
「うん、さっきまでとは全然違うよ」
「そうよね。このままいけば」
「演奏できるようになるね」
万全の演奏がだ。それがだった。
「やっと。君のお陰で」
「私のお陰って」
「だって。君が聴いてアドバイスしてくれたから」
本当にその通りだった。彼女のお陰でだった。
それで今こうして演奏できた。そのことに心から感謝して告げた。
けれどだ。彼女はこう僕に言うのだった。
「ううん、違うわ」
「違うって?」
「だって頑張ったから」
僕がだというのだった。
「それでできたのよ」
「いや、違うよ。君が聴いてくれたから」
「そうだっていうの?」
「そうだよ。それでだよ」
お互いに一歩も引かない状況になっていた。けれど。
僕も彼女も同時に思いなおしてだ。こう言い合った。
「いや、そうだね」
「そうよね」
笑顔で言い合う僕達だった。
「お互いにね」
「頑張ったからね」
それでだった。僕達はだった。
お互いに笑顔でサックスをなおして部室を出て戸締りをしてそれで学校を出て。そうしてだった。
「帰ろうか」
「ええ、二人でね」
笑顔で言い合ってそのまま二人で下
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